irienchyが結成5周年ワンマンで示した感謝の気持ち、4人で歩んできた大きな一歩
Rolling Stone Japan / 2025年1月23日 12時0分
4人組POP ROCKバンドirienchyが2025年1月18日(土)、結成5周年を記念したワンマンライブ「こたつとみかんとイリエンチー ONE MAN LIVE -築5年-」を東京下北沢・近松にて開催した。チケットはソールドアウト。熱気に包まれたワンマンの様子をレポートする。
【画像】irienchy、5周年ワンマンライブ写真(全9枚)
1月18日、東京・下北沢にあるライブハウス・近松は、20代の若者を中心に賑わっていた。場内はミラーボールが回り、スピーカーから流れるミッシェル・ポルナレフの「Computer's Dream」をはじめ、メロウな音楽を肴にみんなが楽しそうにお酒を飲んでいる。この日、irienchyが結成5周年を記念したワンマンライブが行われる。ステージには「こたつとみかんとイリエンチー」と書かれたバックドロップが吊るされており、その時を今か今かと待っていた。
18時30分になり、大きな拍手に迎えられて諒孟(Gt)、井口裕馬(Ba)、本多響平(Dr)がステージに姿を見せた。興奮した観客を前に、3人はおもむろにセッションを始めた。ギターの音は徐々に歪みが強くなり、ベースとドラムの演奏も速くなると、それに合わせてライトが激しく点滅。そこに宮原颯(Vo&Gt)が登場し、先ほどよりも大きな拍手が起きた。「どうもー! 俺たちがirienchyです! 全員ハッピーにして帰ります!」と元気よく発して「スーパーヒーロー」で幕を開けた。宮原は<みんなハッピーになるさと本気で思ってるんだ>と曇りのない表情で歌う。その歌は聴きようによっては、直球過ぎて恥ずかしくなるほどクサい。だけど、堂々とパフォーマンスをする彼らを見ていたら、”ハッピー”という響きが清々しさと煌めきを放っているように感じられた。そんな4人に向かって観客が思いきり腕を上げている。その光景はこれから始まるパレードの狼煙のように見えた。
宮原が「ハッピー野郎、参上!」と叫んで「藁人形の館」「ライライライ」を立て続けに投下。「5周年記念ライブ、みんな遊びに来てくれてどうもありがとう!」と改めて感謝を伝えると、宮原は照れくさそうに「あの……実は5年間やってきて、今日初めてソールドアウト!」と喜びを口にした。フロアから「おめでとうー!」と声が上がる。「ありがとう。今日はみんなに感謝の気持ちを伝えるとともに、俺たちもよくやってきたって自分を褒める1日にしたいんで、最後まで思いきり楽しんでほしいなって思います。……気合い入れてかかってきてください」と言った瞬間に、諒孟のファンキーなギターが鳴り「最強の矛」からの「ミラクルダンサー」で近松はダンスホールと化した。
ライブ中盤、宮原は何かを思い出したように笑みを浮かべた。「最近4人で過去を振り返りよったん。内輪みたいな話になりよっちゃけど、最初の頃はYouTubeをやりよってん。『週刊irienchy』っていう、恥ずかしいから限定公開にしよっちゃけど、(映画『蛇拳』のような動きで)『トゥトゥトゥ!』みたいなふざけたことをしてて。あの頃の映像を移動中の車内で見て、自分たちの映像やのに4人で爆笑しよったとよ。そこでふと思ったと。これは思い出に残るけん、ちゃんとやっといかなあかんなって。だけんね、今年から『月刊irienchy』みたいな形で毎月やっていきたいなと思ってます」と報告した。ほかにも彼らは5周年を記念して無料出前ライブを発表。「20人くらい集まったらどこへでもライブをしに行く、という企画を始めて、びっくりすることにいろんな会社からオファーが来るわけよ。irienchyのライブで社員に活力を与えてください、みたいな問い合わせが来とってさ。でも歌を聴いて自分らしく生きなきゃって、会社を辞める人がでたらまずいよな?」と面白く趣旨を説明。今後の展開について話したところで、久しぶりの曲を演奏すると伝えて「jungle」「海底」と結成初期の曲を届けた。
後半になり本多がマイクを握った。「インスタのストーリーで質問を募集したら、ありがたいことに色々と集まったのね。それにみんなで回答していこうと思います。まずは、今年チャレンジしたいことはありますか?」と投げかけると、宮原は先ほど触れたYouTubeに力を入れることを宣言。本多は去年8月に行なったフロアワンマンライブを再び開催したいと伝え、井口は元旦から始めた筋トレを年内続けていくこと、諒孟はスパイスカレー作りに挑戦したい旨を話した。その後もメンバー間で直してほしい話題で盛り上がる様子を見て、仲の良さを改めて感じた。
楽しいムードの中、次曲へ行く前に宮原が伝えたいことがあるという。「昨日の夜、考えたんよ。irienchyをやってきて、一番誇れることは何やろう?って。俺ね、カッコつけるわけじゃないっちゃけど、一番誇れることはirienchyを組んだことやったんよ。今思うと5年前の俺は、人の顔色ばかりうかがってしまって、自分が本当に思っとうことを全然言えんかった。そしたらさ、好きなものが何で好きなのかが分からなくなって。嫌いなことも何で嫌いなのか分からんくなった。そうやって人の顔色ばかりを気にする自分が、どんどん嫌いになっていって。もうね、生きていて全部が怖いったい」。苦しみの淵に立った時、彼は勇気を振り絞ってペンを握った。
(Photo by 伊東実咲)
「その時に書いた曲が『Message』。でも、それを書いてから人に聴かせるまでが怖いわけよ。だけど曲を書いたら、不思議なことにメンバーと出会っていった。怖い中でも立ち向かったことが、5年間の大きな一歩やったんよね。みんなも『このままでいいとかいな?』という不安や、自分の想いを中々言えん時もあるやろ? そりゃあ、誰でもあるしさ。だけん、最初の一歩を踏み出せばさ……」。包み隠さず自分の弱さを曝け出す宮原の姿は、ライブの冒頭で見せた明るい雰囲気とは違った。「誰かにとっては俺らの5年間は失敗かもしれんけど、俺はめちゃくちゃ楽しいったい。全然ビビらんでええ。一歩踏み出すことをみんなにも忘れんでほしい。そんな俺たちの大切な曲、『Message』を聴いてください」。
静まり返る会場、真っ暗なステージで一筋のスポットライトが宮原を照らした。<考えることをやめないで/気づいた時はもう遅くて>その孤独な歌を観客は固唾を呑んで見守る。<ぶつかることをやめないで/僕みたいにならないで>寂しさがその場に充満していた。そして宮原は顔を上げて<始まった頃の気持ちは忘れちゃうんだきっと/今しかないんだよ>と歌った瞬間、スポットライトは宮原の周りを照らした。そこには諒孟、井口、本多の姿があって、彼の背中を支えるように3人の音が重なった。irienchyを結成してまもない頃、メンバーが宮原に伝えたことがある。「恥ずかしがっているのがダサい」「もっと熱くなれよ」。それが彼を「ハッピー野郎」と言わせるまでに後押ししたのだろう。今、眩いステージの上で晴れやかに声を上げている。<求める愛なんて欲張りでずるいんだきっと/伝えたらいいんだよ>。
ライブは終盤を迎えた。「バンドを辞めようと思ったことは1回もないんですけど、うまくいかんくて自信がなくなった時に『辞めた方がいいかな』と思ったことは多々あったわけですね。でも、そんな時に『irienchyの歌を聴いて頑張って学校に行ってます』『会社に行ってます』とか、愛されとるんやなと思える幸せな言葉をもらう度に、俺がこんなんじゃダメかなって。誰よりもハッピー野郎でおらないかんとか、いろんなことを考えた。今日この5周年をあなたと迎えられたことが、俺らはすごく幸せなわけです。そうやってさ、みんなが日常の中で俺たちのことを思ってくれとう時間がある、と思えることで……5年間いいことばかりじゃなかったけど、俺の悩みは大したことじゃないなと思いながら、音楽をやってきました。そんなあなたは、俺たちにとって間違いなくスーパーヒーローなわけで。そんなあなたには、誰よりもあなた自身のことを大切にしてほしいと思って書いた曲です」。「最強のぼっち」を聴きながら、彼らの鳴らす”ハッピー”はいわゆる陽キャのそれではなくて、暗闇を知っているから放てる光なのだと思った。「毎日精一杯生きとう? 好きなものを好きって言えとう? 嫌なことは時々嫌って言わないいかんよ。俺たちみんなが主人公なんよ。気づいたら、それを忘れてしまうけんね! 全部自分で決めれるったい!」。最後の言葉を発して「ドリームキラー」「メイビー」で本編の幕が閉じた。汗だくで泥臭いありったけの愛をぶつける、そんな輝かしいライブだった。
irienchy(Photo by 伊東実咲)
<無料出前ライブ情報>
応募条件
以下の条件を満たせば、無料(交通費のみご協力をお願いする場合があります)で出前ライブを実施します。
1. 20人以上の仲間を集める
→ 仮の名前リストでOKです!
2. 演奏できるスペースを確保
→ 会場に応じて、アコースティックセットにも対応します。
3. ポスター20枚の掲示
→ 会場周辺の目立つ場所に貼ってください。
4. SNSでの情報発信
→ 開催前後1週間に自由な形で発信をお願いします!
5. 簡単な意気込み文
→ 幹事さんの想いや集まる仲間の雰囲気、リクエスト曲があればぜひ教えてください!
応募に必要な情報
以下を記載の上、irienchy公式HPの「Contact」フォームからお送りください。
タイトルは 「出前ライブの件」 としてください。
1. 幹事さんの名前、住所、電話番号、メールアドレス
2. 希望日時
3. 会場の情報(予定人数20人以上)
4. irienchyへのメッセージ
5. カバーしてほしい曲1曲(任意)
応募締切
2025年2月15日
開催期間は2025年1月~4月の間です。
irienchyの音楽を、あなたの大切な人たちと一緒に楽しみませんか?
https://www.irienchy.com/contact
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