04 Limited SazabysのGENが語る、キャリアを重ねて身に着けた「脱力」の背景
Rolling Stone Japan / 2025年1月30日 18時30分
04 Limited Sazabysが1月29日にEP『MOON』をリリースした。JUDY AND MARY「mottö」の高速メロディックパンクカバー(!)を含む全4曲は、これぞフォーリミと言うべき疾走感とまばゆいメロディを湛えつつ、エフォートレスなGEN(Ba, Vo)の歌唱と開放的なサウンドスケープにバンドの成熟を滲ませる。リリースを前にGENが語ってくれたのは、日本武道館での2DAYSワンマンを経て手にした余裕と自信。そして、とどまることを知らないロックバンドへの愛だった。
【写真】04 Limited SazabysのGEN
-『MOON』聴かせていただきました。率直に言うと、めちゃくちゃ好きな作品です。
やったー! 嬉しいです。
-今作は4thアルバム『Harvest』から約2年半ぶりの新作ですが、その間フォーリミはどのように変化しましたか?
『Harvest』の時もそうだったんですけれど、キャリアを重ねるごとに憧れの先輩に追い付け追い越せっていう感覚は薄れてきて、だんだん貫禄が出てきたなっていうか。長年ライブハウスに根付いて活動してきたバンドとしての自負もありますし。憧れていた先輩たちの系譜にありながら、下の世代にも影響を与えられるような、背中で見せていくバンドになれてきたかなという気持ちがあります。昔はとにかく無我夢中に、一生懸命に食らいついて、お客さんや共演者をやっつけようと思ってましたけど、今は余裕が出てきて、どっしりやれてる感じですね。手を抜いてるっていうわけじゃなくて、「脱力」みたいな。
-武道の達人のようですね。
脱力が楽器の演奏においても生き方においても一番大事な気がしますね。若手の頃はライブも制作も力みっぱなしで前のめりでしたけど、今は目の前のものを楽しんで味わいながら戦えてます。
-2023年11月11日・12日に開催された日本武道館でのワンマンライブ「04 Limited Sazabys 15th Anniversary『THE BAND OF LIFE』」は、必然的にバンドの歩みを見つめ直す機会になったのではないかと思います。
『THE BAND OF LIFE』と銘打った通り、バンド人生を振り返るような二日間でしたけど、そこで今まで一番良いと思えるようなライブができましたし、成長を実感しました。バンドって人気商売なので浮き沈みのあるものだと思うんですけど、初の武道館ワンマンから7年経ったタイミングで、2DAYSを売り切ることができて。セトリもガラッと変えて、「こういうこともできるんだ」っていうのを示せましたし。前回の武道館では同期の仲間や先輩がいっぱい来てくれたんですけど、今回は若手の後輩たちもいっぱい来てくれたんですよ。そこで彼らをちゃんと納得させられるライブができた。バンドに夢を与えるバンドとして、果たすべきことを果たせた気がします。
-2年半の中で劇的な変化があったというよりは、一歩一歩踏みしめながら身のこなしを上達させてきたと。
そんな感じがします。
-GENさんはたびたび自身のことを「パンクロック生まれサブカルチャー育ち」と表現していますけれど、そんなGENさんらしい表現を楽しめる機会も増えているような気がします。アコースティックなセルフカバーアルバム『Re-Birth』もそうですし、『ぼっち・ざ・ろっく!』結束バンドへの楽曲提供(「UNITE」)も話題を呼びましたよね。
より自在になっている感覚はありますね。僕らの曲においても、メジャーデビューしたばかりの頃は、歌詞をわかりやすくしなきゃとか、メッセージを明確にしなきゃとか、そんなことを考えていた時もあったんですけれど、今はそういう縛りからも解き放たれてるというか。何かを狙ったり、時代の流れを読んだりする必要がなくなったんだろうなって思います。それは、僕らは僕らだっていう自信が活動の中で増したからなのかな。
-前作『Harvest』にはコロナ禍のモードが反映されていましたよね。その後、ライブハウスシーンがいったん更地になってしまったことで、アンダーグラウンドとオーバーグラウンドの壁が薄くなったり、一度危機に瀕したミュージシャンたちが開き直った活動をしやすくなったような感覚があるんじゃないかと思っていて。
当時、ライブハウスがバタバタ閉店しちゃったり、ギリギリ食えてたバンドが活動を止めちゃったりする一方で、宅録を中心に新たな才能を発揮するアーティストがどんどん登場してきて、バンドはこれから盛り下がっていくんだろうなと思ってたんです。お客さんも、人と距離を取る生活が一度染み込んじゃったら暑苦しいライブハウスには帰ってこないだろうなって。でも元の生活が戻ってきて、その熱狂は替えが利かないものだし、ずっと続けてきたバンドたちはみんな強いんだってことに気付きましたね。だからこそ、別に新しいことをせずとも、10代の頃に刺さったものを信じ続けてまっすぐ自分たちらしくやっていけばそれでいいんだって思った。そういう意味では、確かに開き直ってるんだと思います。
-コロナ禍をサバイブできたことが、先ほど話した余裕に繋がってる?
そうですね。コロナ禍に、モッシュ&ダイブがなくても僕らのライブを観たいと思ってくれるお客さんがいるんだってことを知れたのも自信になった気がします。それありきのバンドだと思っていたので。
意識したのは『ドラクエ』感
-そんな今のフォーリミのムードが表れたのが今作『MOON』だと思います。EPという形態でのリリースは初めてですが、なぜこのサイズでリリースすることになったのでしょう?
大きなブレイクスルーになった「swim」という曲が収録されている『YON』というシングルがあって、それ以来4曲入りの作品は3枚出してるんですけど、このボリューム感が得意なんですよ。良い具合に楽曲たちのバランスを整えて作れて、やりやすくて。なので、初心に帰るじゃないですけど、今回は4曲入りのEPという形で出そうかなという。
-なるほど。その凝縮された4曲で表現したいコンセプトや世界観はあらかじめ用意していたんですか?
『Harvest』はバンドサウンドの中に温もりがあって、僕も「歌」っぽく歌ったんですよ。で、『Re-Birth』は「座って聴ける04 Limited Sazabys」をイメージして作った。だから、次は「ザ・04 Limited Sazabys」にしようっていう。メロディックチューンで、めちゃくちゃアタッキーで、ライブハウスが盛り上がる作品にしようとは考えてました。
-収録曲は、そのコンセプトのもとで新たに作られたものなんでしょうか?
2曲目の「GATE」は『Harvest』のタイミングで作ってたんですけど、『Harvest』に入れたらアルバムの中の一曲としてサラッと消費されてしまいそうで、それが嫌だったので取っておいたんです。で、1曲目の「magnet」が出来た時に、これは熱い作品にできるんじゃないかと思って、「GATE」を復活させて。「Kick it」はもっと分厚くて重い曲にするつもりだったんですけど、やっぱり僕らがやるとキャッチーで爽快感のある曲になった。そういう予想外の方向に転がった点も含めて、僕たちの味が出てる良い作品になったなと思います。
-『Harvest』リリース時の音楽ナタリーでのインタビューでGENさんが「50歳、60歳になったときに、そんなに速い曲とかキーが高い曲を演奏できる気がしない」と語っていたのが印象的なんですけれど、そういう意味で今作のフォーリミは、従来のフォーリミらしさを保ったまま歳を取るための持続可能性を探っているようにも感じました。
確かに、力んでない感じはあると思いますね。めちゃくちゃバンドサウンドだけど、昔みたいにガムシャラではない。一つ一つの音に対する自信もかつてとは違うと思いますし。僕らも本当にいい年齢なんで、大人な雰囲気を出したいっていうのはもちろんあったと思います。
-だから、今作を聴いて「50歳、60歳までフォーリミを続けるつもりでいてくれてるのかな」という気持ちになって。
実際、先輩たちの姿を見てると全然できるなと思いますよ。BRAHMANもHi-STANDARDもしぶとくて、いつまでもいるんですもん(笑)。だからバンドっていいなと思います。
-その持続可能性を端的に示しているのが、今作でのGENさんの歌唱です。それこそ脱力できているというか。
意識して歌い方を変えてはないですけれど、『Re-Birth』を経過したのが大きいかもしれないですね。
-そうですよね。今までよりも多くの表情が見えるような歌い方っていうか。手元のプロフィール資料には「少年のようなハイトーンボイス」とありますけれど、それでもやっぱり大人になった感じがする。
もう、おじさんなんですよね。年齢確認されるおじさん(笑)。
-(笑)。そういったこれからのフォーリミ像を探ってる状態が、アー写の4人の姿ともリンクしています。
それは狙ってましたね。武道館2デイズっていう一つの節目を経て、次はどこに行こうかと。アー写もそうですし、作品全体でもドラクエ感みたいなのを意識してて。魔王を倒したパーティーが新たな地に向かってるイメージです。
-次に向かうためのモチベーションはきっと、ひたすら駆け上がり続けた15年間とは異なっているんでしょうね。
全然違いますね。あの頃は、「ああいう先輩みたいになりたい」「ああいうイベントに出たい」とか、目指したい場所に先人たちの道があったけど、それらをクリアした後にいったんセーブして、これからは未開の地を切り拓いていく段階なんだと思います。
-一本道のストーリーを進むRPGじゃなくて、オープンワールドのアドベンチャーみたいな。
そうですね。「ここの森、入れるんだ?」みたいな。
-サウンド面でも、全曲パンクなんだけど、これまでとは違うポップさを感じたりもしていて。重いんだけど広がりがあるし、汗臭いだけじゃない。
ああ、嬉しいです。汗臭いマッチョなおじさんたちの自己満足っていうよりは、ちゃんと誰かを照らせるものにしたいと思ってたので。
Photo by Mitsuru Nishimura
今の僕の人生を歌う新曲「magnet」
-収録曲についてそれぞれ聞かせてください。まずは1曲目の「magnet」。
実は、『ぼっち・ざ・ろっく!』に提供するために制作をしているタイミングで生まれた曲なんです。僕らの持ち味が全開の曲になりました
-『YON FES 2024』での初披露以来ライブでも何度かプレイしている楽曲ですが、感触はいかがですか?
僕らの最高の方程式で完成させられたというか、04 Limited Sazabysの美味しいところ全部乗せ、っていう感じですね。その上で、ただ甘いだけじゃない、人生の深みを感じさせるような、今じゃないと書けない楽曲になったと思います。
-歌詞もストレートながら奥行きを感じさせます。
ありがとうございます。大事な人との一生の別れが急に訪れたり、そういう物理的に一生会えなくなってしまう別れを経験するたびに直面する、やりきれない思いをどうかみ砕いて進んでいけばいいのかという問いに対する答えがこの曲のテーマになっています。ただ別れを悲しむだけじゃなくて、それをどう受け止めて、いま目の前にあるかけがえのないものをどう抱きしめるか。
-フォーリミの楽曲の中でも、比較的パーソナルな内容ですよね。
そうですね。今までも小出しにはしてましたけど、この曲は本当に今の僕の人生のことを歌ってるなと思います。
-ちなみに、「magnet」というワードは曲中に直接は出てこないですが。
そうですね。よく死別した人を星にたとえますけれど、それって結構良い解釈だなと思ってて。いつだって思い出せるし、自分が光ってたら向こうからも見えるし。その夜空の星の中でも、一番目立つのが月で。その月の引力から、自然と引き合う磁力を連想して、「magnet」という曲名を付けました。
-『MOON』というEPのタイトルもそこに繋がってくるんですね。そして、2曲目が「GATE」。先ほど仰っていた通り、『Harvest』の中に埋もれさせずにこの曲を届けたかったと。
はい。ちゃんとスポットライトが当たる状態で世の中に出したかった。
-それはなぜ?
メロディーの乗せ方やリズムの取り方が、僕なりに新しく感じたんですよ。手応えがある分、アルバムの中に入って目立たなくなるのはもったいないなって。その上で今作を作るにあたり、元はもっと男らしい感じだった歌詞をファンタジックにして、ハモリを加えたり、きらめき感を足して完成させました。
-確かに、サビでトーンを落とすのが新鮮ですよね。
僕もそう思います。あえて僕の声の一番のスイートスポットで歌わないっていう。この音符の多さでハイトーンに行かないのが憎らしくてカッコいいんじゃないかなって。
-個人的には、なんとなくミクスチャー・ロックっぽいノリがあるなと思いました。
歌詞も音ハメ的に遊べてるし、歌よりはフローを意識した感じがありますね。
-リリックの雰囲気もどことなくDragon Ashっぽいっていうか、「Fantasista」っぽいっていうか。スポーツのハイライトで流れていそうな。
ああ、そのイメージはありました。この曲を書いてる日に、ちょうど那須川天心 vs 武尊の『THE MATCH 2022』がやってたんですよ。その勢いで作ったら、思いっきり格闘技の曲になっちゃって(笑)。だからちょっとファンタジーに書き直したんですけど、そのスポーティーな要素は残ってますよね。
Photo by Mitsuru Nishimura
男版YUKIになりたかった
-ミクスチャーなヴァイブスは、3曲目の「Kick it」にも含まれているんじゃないかなと。
実はこの曲の方こそドラゴン(Dragon Ash)を意識してて。「Life goes on」って歌ってるし、「ひたむき注ぎ根伸ばす / 涙でまた花咲かすよう」とか、Kjが言いそう!と思いながら書いてました(笑)。KjもDragon Ashも今は一緒にやってる仲間に近い関係ですけど、やっぱりルーツとして染み込んでるくらい憧れてた先輩だから。「っぽいな」と思ってニヤニヤしながら作りましたね。
-言われてみれば確かに! 受けてきた影響に素直に従って生まれた曲なんですね。音にもポップパンクやイージーコア的な重さがありつつ、チルな空気感も漂ってて、やっぱり「大人になったフォーリミ」という感触です。
声や音には良い意味での青さがあるけど、やっぱり人生の酸いも甘いもわかってきた今だから書けることを歌っているのかなと思います。ただ前向きに、っていうよりは、痛みや苦しみを経た上での、それでもという前向きさ。
-歌詞では「この命に意味はなくても / この暮らしに意味がある」っていうラインがめちゃくちゃ刺さりました。
僕もそこがすごい好きで、なんならこの作品のキモのようにすら感じますね。昔は自分の人生の使命について難しく考えていた気がするんですけれど、別に意味なんてなくっていいやと思うようになって。いま目の前にいる人、目の前にある暮らしが自分にとってかけがえのないものであるということにこそ意味があるんだなって思ってます。
-「GATE」「Kick it」ともに、これまでもフォーリミの特徴だったライミングや軽やかなフローが、より強みとして押し出された楽曲になっています。
昔の僕らだったら、「こういうのはTOTALFATに任せておこう」みたいになってたと思うんですよね。「ちょっと西海岸すぎないか?」とか(笑)。やりたいことがありつつも、照れがあったし、自分で自分を縛ってしまう行き止まりがあったんです。でも今は、何をやってもいいんじゃないかなって。結局は、自然に僕ら節が漂うと思うので。
-加えて印象的なのが、開放的なシンガロングパートです。大きな会場でのワンマンを経たことが影響してるのかなと思ったんですけれど。
いや、本当に自然とそうなりましたね。最初は、Turnstileみたいな感じでもっとシャウトっぽく、地下でゴリゴリに吠えてるイメージだったんですけれど。気付いたらめちゃくちゃ空が晴れていって。
-やりたいこととフォーリミの自然体がミックスされたような。
そうですね。それこそがバンドの面白さだと思いますし。「Kick it」は、僕が最初にリズムを考えて、そこにメロディを乗せて、その後にコードを付けるっていう今までやったことのないアプローチで制作してたんですよ。で、僕がコードを付けたものを渡してみたら、メンバーは僕より西海岸風に解釈してて。HIROKAZ(Gt)がアコギを加えた時に、「そっちに行ったかー!」って思ったんですけど、そうやって想像と違う方向に転がっていくのが他人と一緒に音楽を作る面白さだと思うので、「それでいっか」みたいな。
-そして4曲目は、誰もが気になるであろうJUDY AND MARYのカバー「mottö」です。そもそもなぜこの曲をカバーすることに?
JUDY AND MARYは、僕らの世代からすると伝説のバンドじゃないですか。みんなに認知されてて、ポップなアイコンなのに、すごく尖ったバンドでもあって。僕らもこうありたいと思うような先輩なんですよ。それに「mottö」の歌詞は、いったん満たされてこの旅の続きをどこから始めようかと探っているいまの僕らとリンクしていたので。これをカバーしたいって僕が言いました。他の曲もイメージしてみたんだけど、「mottö」が一番ツービートにしてみたいなと思って。
-GENさんはかねてからJUDY AND MARYやYUKIさんからの影響を語っていらっしゃいましたよね。
はい。男版YUKIちゃんになりたいって思ってました。可愛くて危うくてエッチでぶっ飛んでるっていう、そういう存在感に憧れて。誰かに「YUKIちゃんみたいな声だね」って言われたこともあったんですよ。だから、ずっと頭の中には先生としてYUKIちゃんが居ました。
-アレンジするにあたって意識したことはありますか?
とにかくTAKUYAさんのギターが意味わからなすぎて。「これで合ってんのか!?」みたいな。そこをどう処理するかが一番難しかったですね。あとはもう潔く。
-どんな感じになるんだろう? と思って再生してみたら……最高だなと(笑)。ジュディマリってポップパンクだったんだ! って、驚きました。なんなら、収録曲の中で一番ストレートなフォーリミらしさが表れてるんじゃないかなと。
確かに、これぞフォーリミなハイトーンの歌は新曲になかったので、そこを補ってもらいましたね。
-原曲のキュートさとストレンジさを残しながらパンクに翻訳された、素晴らしいカバーです。
フォーリミの曲で可愛いことを歌ったら流石にキツいかなと思ったので、YUKIちゃんの言葉を借りました。どこまで可愛くしようか迷いましたけどね。語尾の「ネ」のニュアンスとか。思いっきり振り切って歌ってみたりもしたんですけど、もはやFRUIT ZIPPERみたいになっちゃって(笑)。でも、こういうギャルのようなメンタリティでいたいですね。
「僕はバンドのオタクなんです」
-余談ですけれど、去年のTurnstileの来日公演って行きました?
行きましたよ! 最高でしたよね。夢があるなって思いました。やってることがすごく新しいというわけではないのに、見せ方とサウンドの工夫でここまで評価されてるって。
-2024年のベストライブでした。
僕もそうかもしれないですね、会場の空気とかも含めて。いま売れてるバンドだし、もっとチャラい雰囲気になるのかなと思ってたんですよ。だけど、ちゃんとハードコアな、みんなブチ上がりの臭い現場だったんで。「これこれ!」ってなりましたね。
-Divercityのモール内を思い思いのバンドTシャツを着たタトゥー入りのハードコアリスナーたちが闊歩してるのも良いなあと。
色んなバンドマンも来てましたしね。「アンタ、やっぱわかってんな!」みたいな(笑)。僕もキッズの気持ちになれて、めちゃくちゃ楽しかったですね。バンドの良さを感じる一日でした。
-Turnstileのような現行のメロディック・パンクやハードコアのバンドから音楽的なインスピレーションを受けることは今もあるんですか?
新しいインスピレーションを得てる感覚はないですけど、昔から好きなものを今も心から好きって思えること自体が大きな支えになりますね。まだこんなに熱い気持ちになれるんだって。それほど好きなものって、僕にとってはバンドしかないんですよ。たとえば、一人でトラックを作ってるようなHIPHOPやエレクトロのアーティストとかももちろん好きだし刺激を受けますけれど、やっぱりバンドっていうものは特別で。喧嘩をするかもしれないメンバーが集まって、わざわざ楽器を運んで、それをセッティングする人や音響の人がいて……すごく非効率なんだけど、関わる人が多いほどそこに意味や思いが乗っかると思うんです。そういうストーリーにずっとキュンとしてる。僕はバンドのオタクなんですよ。
-なるほど。
バンドの最高のライブを観るたびに、もうやってるのに「バンドやりてえ!」って思うんです。この間は『BECK』のハロルド作石先生の新連載『THE BAND』を読んで、やっぱり「バンドやりてえ!」って思って。俺、どんだけバンド好きなんだよっていう(笑)。もちろんクラブミュージックも好きだし、ブルーノートでジャズを聴いたりもするんですけど、バンドはもはや音楽っていうものを飛び越えて、その形式が好きなんです。
-そのバンド愛は、年齢を重ねるごとに増してきたんですか?
というより、コロナ禍になって再認識したというか。それまでは、10代の頃のようなのめり込む感動が薄れていってると思ってたんですよ。でも、コロナ禍になって好きだったバンドの音が力をくれて、やっぱりこれなんだなと。自分たちの活動も、このままのやり方を貫けばいいんだって気持ちになりました。
-あくまでバンドという形にこだわり続けたいと。
でも、去年The Chemical Brothersを東京ガーデンシアターで観たんですけれど、演出がすごく面白くて、そういうのを取り入れたいとかいう好奇心はありますね。照明も音作りも進化しているので、バンドの形式をはみ出さずにやれることはやっていきたいですね。
-Age Factoryと一緒にAFJBをやってるラッパーのJUBEEさんが、バンドマンの打ち上げ文化を変えたくて、HIPHOPのワンマンにあるようなアフターパーティをバンドでもやり始めたそうなんですよ。そうやって、音以外のカルチャーもジャンルを超えて混ざり合ったら面白いですよね。
良いですね。僕もたまにジャンルを超えてスタジオに集まって音を出したりすることがあって。みんなで喋ったり、知らない文化を教えあったりして、刺激になってとても楽しいんですよ。
-さて、3月からは今作を引っ提げた全国ツアーも始まります。今回はすべてワンマンなんですね。
去年はずっと人から誘われるライブばかり出てたので、みんなワンマンを待ってるんじゃないかなということで。新しい武器を手にした今の04 Limited Sazabysをじっくり楽しんでもらいたいです。
-6月には毎年恒例の『YON FES』も控えています。今年はメジャーデビュー10周年イヤーですが、どのような展開を考えていますか?
今年は自発的に動いて、後輩も含めてみんなに面白がってもらえるような活動を仕掛けていこうかなと思ってます。『YON FES』以外にもイベントをやれたらいいなとか。色んな計画を練っているので、期待だけしていてください。
-駆け上がるだけではなく、色んな場所へと探検に赴くフォーリミの姿が見れるということですね。
もう、もっと売れたいとかはあんまり思わないですね(笑)。もちろん売れたら良いですけど、アリーナとかドームっていうよりは、ライブハウスとともにあるこの生活が好きなので。色んなバンドとともに、今の幸せをどう維持するか、どう増幅させるかを考えてます。
-2014年のeggmanでのインタビューでは「ゆくゆくは印税生活をしながら飼い猫とのんびり暮らしたいと思ってます」と仰っていたんですが、今は同じことを夢見ますか?
それは嫌ですね(笑)。その時は生活が苦しかったからそう思ったんだろうけど。僕はバンドをやるのが好きだし、見るのが好きだし、ライブハウスのカルチャーが好きなので、そこに両足を突っ込み続けていたい。そこで遊ぶには、自分たちがちゃんと活動しなきゃ説得力がないと思うので。あいにく、印税生活できるほど世間でヒットしてる曲もないし(笑)。地道に、メンバーとスタッフと仲間と一緒に楽しく、お客さんを幸せにしたいなと思ってます。
EP『MOON』(CD+Blu-ray)
04 Limited Sazabys
日本コロムビア
発売中
CD:https://lit.link/04LSmoon
配信:https://04ls.lnk.to/MOON
<収録内容>
[CD]
01. magnet
02. GATE
03. Kick it
04. mottö (JUDY AND MARY cover)
[Blu-ray]
YON FES 2024 Live & Documentary
※プレイパス対応 (Blu-rayのみ対応)
特典など詳細は『MOON』特設サイトをチェック
https://www.04limitedsazabys.com/feature/moon
04 Limited Sazabys「MOON tour 2025」
2025年3月24日(月)神奈川県 KT Zepp Yokohama
2025年3月27日(木)新潟県 NIIGATA LOTS
2025年3月30日(日)北海道 Zepp Sapporo
2025年4月3日(木)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2025年4月4日(金)福岡県 Zepp Fukuoka
2025年4月6日(日)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
2025年4月9日(水)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
2025年4月10日(木)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
2025年4月13日(日)宮城県 SENDAI GIGS
2025年4月16日(水)愛知県 Zepp Nagoya
2025年4月17日(木)愛知県 Zepp Nagoya
▼関連リンク
https://www.04limitedsazabys.com/
https://x.com/04LS_nagoya
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