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「根の張りにくさ」「葉の重さ」「風圧」の3要因重なったか 京都・三年坂のサクラ倒木

産経ニュース / 2024年4月23日 15時51分

倒れて道を塞ぐ三年坂の桜=23日午後、京都市東山区(渡辺恭晃撮影)

京都市東山区の参道・三年坂(産寧坂)で23日、サクラの木が倒れて通行人の男性が下敷きとなった事故について、専門家は3つの要因が重なったことが原因だと推測する。1つ目は、木の大きさに対し幹を支える鉢の部分が小さ過ぎて「十分に根が張りにくかった」ことを指摘。2つ目は「若葉が生い茂って枝にかかる重量が大きくなり、バランスが崩れたこと」。3つ目は「葉が広がり風圧を受ける面積が増え、倒れやすくなったこと」を主因に挙げた。

京都府警東山署によると、倒れた木の高さは約9・1メートル、幹回りは約1・7メートルで、三年坂の道路をふさぐようにして倒れた。

日本樹木医会で理事を務める小林明氏は、こうした情報と事故現場の写真から「木の大きさに対して鉢の大きさが小さすぎて、木の幹を支える根が十分に広がらなかった可能性がある」と推測。「あの大きさの木の場合、5メートル四方の鉢部分が必要だが、写真を見る限り鉢の大きさは2メートル四方程しかなかったのではないか」と分析する。小林氏によると、近年は石枠で根の広がりを防いでいる街路樹を巡り、同様の倒木現象がみられるという。

小林氏は、倒れたサクラは樹齢60~70年のしだれ桜で、葉の芽吹き方から「老木ではない」と断言する。倒れ方を分析すると、枝が多く葉の生い茂った側に倒れているといい、「葉が育ち重くなったことで木のバランスが崩れた可能性がある」と指摘。加えて、葉が生い茂ったことで風圧を受けやすくなっており、「風によるダメージも蓄積されていたのではないか」とみている。

こうした倒木を防ぐためには、「人間に定期検診があるように、樹木も定期的に〝健康診断〟が必要」と小林氏は強調。「倒木の懸念がある場合は、木や縄を使い幹を支えるなど安全対策は欠かせない」と注意喚起する。安全面を考慮した場合、樹齢100年を超えるような老木については伐採する判断もあるが、「樹齢の長いしだれ桜は長寿の願いを込めて植えられていることも多く、伐採の判断を難しくさせている面もある」(小林氏)という。

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