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「原因明らかになっていないまま」遺族から第三者委設置求める声 笹子トンネル事故12年

産経ニュース / 2024年12月2日 13時40分

9人が亡くなった山梨県大月市の中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故から12年となった2日、現場に近い中央道初狩パーキングエリアで追悼慰霊式が行われ、犠牲者を悼んだ。参列した遺族からは「事故原因が明らかになっていないまま」として、事故の原因や背景を調べる第三者委員会の設置を求める声が相次いだ。

慰霊式に先立ち、事故が起きた午前8時3分に笹子トンネル東側の慰霊碑に献花と黙禱(もくとう)を行った。

慰霊式では中日本高速道路の縄田正社長が犠牲者、遺族らに「深くおわび申し上げる。本当に申し訳ありません」と謝罪し、「自らがグループの先頭に立って、高速道路の安全性向上に取り組む」と語った。

事故で被害にあった後藤喜男さん(51)は「同じ現場にいて自分だけが生き残ったという罪の意識は今もある。犠牲になった方々の悲しみや落ちてきた天井板の重さ、痛みを広く伝えていくのが自分の務め」と事故を風化させないことを誓った。

慰霊式後の報道陣の取材に対し、縄田社長は、事故調査検討委員会が接着剤の劣化や不十分な点検など複数要因が引き起こしたとする報告書に触れ、「安全向上3カ年計画で対応しており、体系だった調査は必要ない」として、遺族が求めるさらなる事故原因調査は行わない考えを示した。

これに対し、松本玲さん(当時28)の父、邦夫さん(73)は「当事者への調査が行われていないままだ。何があったかを明らかにする義務が会社(中日本高速道路)にある」と、改めて第三者委員会による事故原因調査の必要性を訴えた。

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