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上半期の「ながらスマホ」事故、自動車・自転車とも過去最多に 高齢者の踏み間違いも急増

産経ニュース / 2024年10月1日 9時0分

今年上半期に発生した携帯電話使用中の交通死亡・重傷事故の合計件数が、自動車・自転車ともに過去最多となったことが、警察庁のまとめで分かった。高齢ドライバーによるブレーキとアクセルの踏み間違い死亡事故も前年同時期から3倍近くに急増しており、警察幹部は「『ながら運転』はブレーキの誤認と並び、事故撲滅に向けた2大課題だ」と指摘する。

大半が画面確認中に

警察庁によると、今年1~6月に発生した携帯電話使用中の自動車の死亡事故は14件、重傷事故は44件。計58件は統計を取り始めた平成19年以降で最多を記録した。特に令和2年以降、増加傾向となっている。

携帯電話の使用目的は、「通話」が死亡事故ではわずか1件、重傷事故も4件に過ぎず、大半が「メールや動画、静止画など画面を見るため」だった。

携帯電話使用中の自転車の死亡・重傷事故も今年1~6月には18件発生し、同じく統計が残る平成19年以降の各年同期比で最多に。目的別では「通話」が3件に対し「画面(を見るため)」が15件と、自動車と同じ傾向を示した。

「スマートフォンの普及に伴い、携帯電話が移動式電話機でなく小型のタブレット端末として浸透している」(警察関係者)ことを裏付ける結果となった。

法律で「包囲網」

自動車やミニバイクの「ながら運転」については、カーナビの画面を注視したり、携帯電話を持って通話したりしながらの運転が、道交法で禁止されている。

自転車のながら運転は法的な規制がなかったが、11月1日からは、法律で禁止された罰則付きの違反行為となる。違反者には6月以下の懲役または10万円以下の罰金、事故を起こすなど「交通の危険を生じさせた場合」には1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される。

一定の危険行為を繰り返した悪質な自転車運転者に対し道交法で受講が義務づけられている安全講習の対象にも、「ながら運転」が加えられる。

加えて、5月に成立した改正道交法に盛り込まれた、軽微な自転車の交通違反に反則金を納付させる「青切符」制度の対象に、ながら運転が含まれることになった。2年以内に施行される見込みだ。

減らぬアクセルとブレーキ「取り違え」

一方、65歳以上の高齢運転者のブレーキ誤認による死亡事故は今年1~6月に34件と、昨年同時期(12件)から2・8倍に。このうち75歳以上の後期高齢者は23件で、昨年同時期(8件)の2・9倍だった。

全体では減少傾向にある死亡交通事故の中で、高齢運転者によるブレーキとアクセルの踏み間違いが原因の事故が、一層目立っている。

国連欧州経済委員会(UNECE)は、オートマチック(AT)の乗用車に急発進を抑制する機能や運転手が目視できる警報装備を義務付ける新規制の導入に合意。国際的基準として来年6月に発効する。国土交通省は今年6月、この規制を適用して、踏み間違え事故を防止する安全装置をATの新車に搭載することを義務付けると発表した。

障害物の1~1・5メートル手前に止めた位置からアクセルを完全に踏み込んでも障害物にぶつからないか、ぶつかった際には時速8キロ未満となるよう加速を抑制。車内の表示器で「アクセルを離してください」と警告する。

警察幹部は「ながら運転もブレーキ誤認も、こうした新たな対策の効果に期待したい」と話している。

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