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ヘルメット浸透まだまだ 自転車利用者の努力義務化1年半 滋賀で事故急増、高校生の着用率低く

産経ニュース / 2024年10月2日 18時45分

自転車通学の生徒に声をかける滋賀県警高島署員=9月27日、滋賀県高島市の安曇川中学校

昨年4月の改正道路交通法の施行に伴い、すべての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されてから1年半。啓発活動の効果もあり、街角でのヘルメット姿に違和感を覚えなくなった。ただ今年に入り、滋賀県内では自転車事故が急増しているという。高校生のヘルメット着用率が極端に低いことも判明。改めて自転車のヘルメット着用を考えた。

致死率3倍

「おはよう」「しっかり着用してますか」

9月27日早朝、高島交通安全協会安曇川支部のメンバーと滋賀県警高島署員らが、同県高島市立安曇川中学校正門で、自転車で登校してくる生徒に声をかけた。

正しい自転車のヘルメット着用を促す啓発活動の一環で、同校によると、全校生徒272人の半分以上にあたる182人が自転車で通学している。

同署の藤原健交通課長は「ヘルメットを着用していないと事故の際の致死率が約3倍になる。生徒には、自分の命を守るために正しくヘルメットを着用してほしい」と話す。

気になるデータがある。滋賀県警交通企画課によると、8月末現在の県内での自転車事故は343件(前年同期比25件増)、負傷者は329人(同23人増)。同時期の交通事故発生件数は1702件(同48件減)で、自転車事故が全体の2割程度を占めている状況だ。

同課の久保衛課長補佐兼交通事故分析官は「(自転車で琵琶湖1周する)ビワイチ挑戦者の事故が増加しているわけでもなく、詳しい原因はわからない。ただ、急増しているのは確かで、何とかしないといけない」と力を込める。

校則にない

ヘルメット着用に話を戻し、もう一つ、気になるデータを紹介する。

県内で昨年起きた自転車事故は516件。けがをしたのは504人で、このうち約17%にあたる86人がヘルメットを着用していた。

このデータを、さらに細かくみると、けが人のうち中学生は52人で、33人(63・5%)がヘルメットを着用していた。同じくけがをした高校生は91人だったが、ヘルメットを着用していたのはわずか6人(6・6%)にとどまった。

義務教育の中学では、校則で自転車通学時のヘルメット着用が義務付けられている。一方、県教育委員会によると、高校生になれば「自分の命は自分で守る」という考えが十分に理解できるので、校則で自転車通学時のヘルメット着用を義務付けている高校は少ないという。

動画で共感

次代を担う子供たちの命にかかわってくる、このヘルメット着用率のデータに驚いたのが県警だった。

そこで、県や県教委、県交通安全協会と協力して、高校生にヘルメット着用の必要性を呼びかける15秒の動画を作ってもらうコンテストを始めた。作品募集期間は今年11月22日までで、最優秀賞には5万円分の商品券が贈られる。さらに、作品はびわ湖放送のCMで放映される。

久保課長補佐は「高校生自身にヘルメット着用について考えてもらうことで、必要性を実感してもらえるという効果を狙っている。同世代が『ヘルメットを被ろう』と共感できる動画が集まれば」と期待。自転車に乗る高校生がこぞってヘルメットをかぶるようなユニークな動画の完成を楽しみにしている。(野瀬吉信)

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