道路陥没で露見した下水道管の老朽化、各地で更新進まず 対策急務も財政難・人員減が壁に
産経ニュース / 2025年2月2日 18時23分
埼玉県八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故は、老朽化した下水道管の腐食が原因だった可能性がある。全国各地で下水道管の老朽化が目立つ中、設備更新や改修への投資はなかなか進んでいない状況だ。関西でも対策は急務だが、自治体側の財政難や人員不足、人口減による収入の落ち込みなど、さまざまな壁が立ちはだかる。将来をにらんだ「値上げ」の動きも出始めている。
総務省などによると、標準的な耐用年数とされる50年を超えた全国の下水道管は、令和3年までの5年間で約3%上昇の9・3%となる一方、更新できたのは毎年0・3%程度。大阪府でも50年を超える下水道管が約1割を占め、更新を含む改修経費は上昇傾向にある。
ただ、府の下水道事業は平成30年以降「赤字経営」が続き、令和7年度からは市町村側の負担金を増やす予定だ。府は「物価高や人件費の高騰もあり、経費負担が増している」とする。
十分な予算がない中、改修や更新を進める自治体もある。京都市は下水道管の約2割が老朽化などで優先的な対応が必要と判断し、計画を立てて改修を進める。令和9年度末までに計画の44%で改修が終わる予定だ。
4年8月には同市左京区で大量の雨水が下水管に流れ込んで道路が隆起するトラブルも発生し、浸水対策など新たな対策も求められたが、市は「限られた予算で、さまざまな対策を並行して進める」としている。
設備が比較的新しい場合でも先行きは不安となる。和歌山県が管理する下水道管で50年超はゼロだが、財政難などでここ10年で事業費は2割減。職員数も1割減るなど人員不足にも直面する。
担当者は「今後必要な設備改修ができなくなる可能性がある」とし、県内の市町から徴収する負担金の値上げを検討していると明かす。(山本考志、入沢亮輔)
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