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特殊形態で死亡事故続く横浜・鶴見の踏切 平成25年以降4件、跨線橋検討も目処立たず

産経ニュース / 2024年10月11日 14時5分

生見尾踏切。(左から)東海道線用の踏切があり、待機場所をはさんで、京浜東北線と横須賀線の踏切がある=横浜市鶴見区(橋本謙太郎撮影)

横浜市鶴見区の踏切で9月29日、男性がはねられて死亡する事故が起きた。踏切が連続して並ぶ特殊な踏切での死亡事故は今年2件目で、平成25年以降では4件目。横浜市では踏切の廃止と跨線橋の設置を目指すが、地元の反対があり、目途は立っていない。

全長45メートルの特殊形態

事故が起きたのは横浜市鶴見区の生見尾(うみお)踏切。北からJRの横須賀線、京浜東北線、東海道線の各上下線が並行して走るが、横須賀線と京浜東北線を約25・1メートルの踏切で仕切り、約7・5メートルの待機場所を挟んで東海道線の踏切(約12・1メートル)が連なる。

全長は約45メートルに及び、市道路局建設課幹部は「踏切が2つ連続していて、かなり特殊な場所であることは間違いない」と指摘する。

県警鶴見署によると、9月29日午後11時ごろ、ベトナム国籍の男性(26)が、東海道線にはねられ、死亡した。防犯カメラの映像によると、男性はスマートフォンを見たまま南側から踏切内に入り、待機場所まで移動する前に立ち止まったという。

同署では男性が線路内を待機場所と誤認した可能性があるとみている。今年4月26日にもこの踏切内で、50代の男性がはねられて死亡する事故が起きており、複雑な構造の危険性が際立つ。

抜本的解決見えず

横浜市などによると、この踏切での死亡事故は平成25年以降、4件。同年8月23日に起きた事故が起きたのは北側の踏切だった。横須賀線と京浜東北線の線路を渡りきる必要があるが、80代の男性が踏切を渡りきれずに電車にはねられ、死亡した。

この事故を受け、同市は生見尾踏切を廃止し、跨線橋を建設する方針を打ち出した。だが、地元商店街関係者らは「客足や配達の(所要)時間に影響するし、津波が来たときの逃げ道がなくなる」と反対の姿勢を崩さず、計画は進んでいない。

今年2件目の死亡事故が発生し、同市は、すでにある京急線生麦駅と生見尾踏切の北側地域をつなぐ歩道橋の利用を促す看板などを設置するという。だが、この歩道橋は途中に階段があり、市民からは「高齢者には使いづらい」との声も出ている。どこまで効果があるかは不透明だ。

同課では「抜本的に解決するため、跨線橋を設置して踏切を廃止する方向で、住民の方々の理解を求めていきたい」と話している。(橋本謙太郎)

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