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和歌山小5男児刺殺、謝罪したが約束守らぬ受刑者に疑念深める遺族 事件10年で募る悔しさ

産経ニュース / 2025年2月5日 19時5分

現場で献花をして冥福を祈る森田悦雄さん=和歌山県紀の川市

和歌山県紀の川市で小学校5年生だった森田都史(とし)君=当時(11)=が刺殺された事件は5日、発生から10年を迎えた。父親の悦雄さん(76)は昨年、「心情等伝達制度」を利用して中村桜洲受刑者(32)に悲痛な思いを伝えた。謝罪の言葉は返ってきたが、送ると約束をした手紙は届かなかった。この日、現場を訪れた悦雄さんは都史君の冥福を祈るとともに「もう10年がたったが、悲しさよりも悔しい気持ちが強い」と苦しい胸の内を明かした。

事件は平成27年2月5日に発生。都史君は自宅近くの空き地で、中村受刑者に胸などを刃物で刺されて失血死した。殺人罪などで懲役16年とした2審大阪高裁判決が確定。損害賠償を求めた民事訴訟は和歌山地裁が30年8月、中村受刑者に約4400万円の支払いを命じ確定したが、現在も支払われていないという。

そんな中、悦雄さんは令和5年12月に始まった被害者の気持ちを受刑者に伝える「心情等伝達制度」のことを知った。昨年9月に中村受刑者の収容施設の職員と面会。「(都史君と)遊んだことを思い出すと今でも辛くて仕方がない」「2月5日を、加害者はどのような気持ちで迎えているのか」などと思いを伝えた。

約3週間後に届いた結果の通知書には、「毎年2月5日は、被害者に手を合わせています」との言葉が記されていた。「謝罪の手紙を書いて、親に送ります」「慰謝料の支払いの意思もあります」とも書かれていた。「正直驚いた」と振り返る悦雄さん。しかし、謝罪の手紙は一向に届かず、「本心ではなかったのではないか」と疑念を深めた。

今年1月23日には再び職員に思いを伝えた。悦雄さんは「納得できるまで続けていきたい」と話す。

5日に数センチの雪が積もる現場の空き地を訪れて献花を行い、手を合わせた悦雄さんは「都史君に戦う気持ちでこれからも続けていきたいと伝えると『うん』と答えてくれた。少しでも良くなるように頑張りたい」と心境を語った。(小泉一敏)

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