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「遺体なき殺人」警視庁、病院食まで捜査尽くし殺人容疑で立件 浅草連続中毒死

産経ニュース / 2024年10月25日 21時23分

浅草署に移送される細谷志保容疑者=25日午前、東京都台東区(岩崎叶汰撮影)

東京・浅草エリアの隅田川を望むマンションを舞台に、一族が次々と変死した事件。警視庁は細谷健一、志保両容疑者が健一容疑者の父、勇さんを殺害したとして再逮捕した。勇さんは当初病死扱いされ、すでに埋葬されたが、警視庁は勇さんの診断書のほか、病院食の献立まで調べ尽くす地道な捜査を重ね、「遺体なき殺人」の立件に踏み切った。

短期間で変死、遺体はすでになく…

両容疑者と子供らが千葉県から、東京都台東区の勇さんが所有するマンションに転居してきたのは平成28年10月。その直後から「もともとは高血圧があったくらい」(捜査関係者)と目立った持病のなかった勇さんの体調は悪化した。29年3月からは病院へ入退院を繰り返すようになり、翌年6月に「再生不良性貧血」と「敗血症」によって死亡した。

どのように勇さんは死に至ったのか―。短期間の変死であることから、次女の美輝(よしき)ちゃんら2人を中毒死させた嫌疑がかかる両容疑者の関与が疑われたが、遺体は既になく、当初は捜査関係者の間でも勇さんに対する殺人容疑での立件は不可能との見方も強かった。

通販でエチレングリコール購入

そこで、捜査本部は両容疑者の行動と勇さんの容体を緻密に照らし合わせた。勇さんの殺害にも、令和5年に死亡した美輝ちゃんと同様、「エチレングリコール」が使用されたと推定し、押収した両容疑者のスマートフォンやパソコンを解析。平成29年8月ごろから、健一容疑者のクレジットカードを使って、通販サイトでエチレングリコールを購入していたことを裏付けた。

また、勇さんが入院していた際の検査結果や、1回分だけ残されていた血液などを分析したところ、徐々に腎臓を害し、衰弱していったことが判明。「エチレングリコールを服用した状態とみて矛盾はない」。複数の法医学者の所見を得て、同物質特有の腎臓への影響があったことも明らかにした。

LINEに殺意の文言

「エチレングリコールには粘性があり甘い。入れられるものは限られる」(捜査幹部)。捜査の対象は勇さんの病院食の献立や、両容疑者の見舞い状況にまで及んだという。夫婦のLINE(ライン)には勇さんへの殺意をうかがわせるような文言のやりとりもあったといい、警視庁が解明を進める。

(内田優作、前島沙紀、梶原龍)

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