「ものづくりに向き合うこと、弔いに」 京アニ放火事件から５年、現場で追悼式

京アニ放火事件から５年、被害に遭った第１スタジオの跡地で追悼式が開かれた（京都アニメーション提供）

３６人が犠牲となった令和元年７月の京都アニメーション放火殺人事件は１８日、発生から５年となり、現場となった第１スタジオ跡地（京都市伏見区）では京アニ主催の追悼式が開かれた。遺族や八田英明社長、社員ら約１４０人が参列。式典では「これからも作品を作り続ける」などとする弔辞が読み上げられ、犠牲者を悼んだ。

事件を巡っては、殺人罪などに問われた青葉真司被告（４６）に対し今年１月、１審京都地裁が被告の完全責任能力を認定した上で死刑判決を言い渡した。被告側は判決を不服として控訴したが、大阪高裁での控訴審第１回公判の期日は決まっていない。

京アニによると、式は設営されたテント内で事件発生時刻の午前１０時半ごろに始まった。会場の祭壇には「追悼」の文字とともに３６本のヒマワリが供えられた。社員の一人は「ものづくりに真剣に向き合うことが私たちなりの弔いになると信じている。これからも作品を作り続け、『志』を未来へ繋（つな）いでいきます」などとの弔辞を読み上げた。その後、参列者が祭壇の前に献花した。

事件は元年７月１８日午前１０時半過ぎに起きた。京アニ第１スタジオ内にいた社員３６人が死亡、３２人が重軽傷を負った。