日本に迫る国際テロの脅威 航空機内で爆発、男性が死亡 公安部に「国際テロ」担当課設置 警視庁150年 94/150
産経ニュース / 2024年10月20日 7時0分
1994年12月11日、沖縄付近の上空を飛んでいたマニラ発成田行きフィリピン航空434便で、座席下が爆発、日本人の男性会社員=当時(24)=が死亡する爆破事件が起きた。
捜査は沖縄県警が担ったが、その後、事件が世界を舞台にした大規模同時テロ計画の一端だったことが判明する。
米国の独立調査委員会が2004年に公表した報告書などによると、フィリピン航空機爆破事件の首謀者の一人はパキスタン出身のテロリスト、ラムジ・ユセフ。
ユセフは、東南アジアから成田空港などを経由して米国に向かう航空機12機を爆発させる「ボジンカ(大爆発)計画」を進めていた。予行演習として企てられたのが、フィリピン航空機爆破だったという。
航空機爆破事件後もボジンカ計画は進められたが、1995年、フィリピン・マニラで爆弾製造アジトが摘発されたことで未遂に終わった。
しかし、テロは終わらなかった。
2001年9月11日、旅客機4機がテロリストに乗っ取られ、うち2機がニューヨークの世界貿易センタービルに突入するという航空機を使った大規模テロで3千人以上が死亡した。
世界に衝撃を与えた米中枢同時テロだ。
報告書によれば、中心的な役割を果たした国際テロ組織「アルカーイダ」幹部のハリド・シェイク・モハメドは、ボジンカ計画を企てたユセフの叔父だったという。
世界的なテロ計画との密接な関わりが判明した日本。国際テロ組織に関する情報収集などが重要視され、警視庁公安部に02(平成14)年、専従課として「外事3課」が誕生。21(令和3)年の組織改編で「外事4課」となり、テロの未然防止に注力している。(橋本昌宗)
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