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日本の中枢で阿鼻叫喚の惨状 未曾有の化学テロ 地下鉄サリン事件 警視庁150年 97/150

産経ニュース / 2024年10月25日 7時0分

平成7年3月20日午前8時前、日本の中枢、東京・霞が関を通る現在の東京メトロ日比谷線、丸ノ内線、千代田線の3路線、5車両で新聞紙に包まれた液体の容器やポリ袋などが数人の男らによって置き去られた。男らは先端をとがらせた傘で突き刺し気化した神経ガスサリンが流出。無味無臭のサリンは瞬く間に拡散され、駅や車内ではうずくまり、倒れ、もがく人々で阿鼻叫喚の混乱状態に陥った。

警視庁は機動隊員ら約1万1千人を動員し負傷者の救出などに当たり、同日には築地署に捜査本部を設置した。発生から3時間後の午前11時には、「ミスター1課長」と称された寺尾正大捜査1課長が会見を開き、「サリンの可能性が極めて強い」と発表。記者に早く報じるよう告げ、数分後にテレビ各社は緊急ニュースを流した。サリンと特定されたのは同日夜だったが、原因不明のまま次々と被害者が搬送される病院にとって、この発表は治療方針を決める目安にもなった。

14人が死亡、6千人以上が重軽傷を負った化学兵器による無差別テロ。元年11月、信者の脱会活動を支援していた坂本堤弁護士=当時(33)=一家が行方不明となり、6年6月に長野県で松本サリン事件、7年2月には目黒公証役場事務長拉致事件が起き、警察の捜査でオウム真理教の関与が浮かび上がっていた最中だった。

警視庁などは地下鉄サリン事件から2日後、捜査員ら約2500人を動員し、山梨県旧上九一色(かみくいしき)村の教団施設などの一斉捜査に踏み切り、幹部らを逮捕した。

姿を消していた元教祖の麻原彰晃元死刑囚=本名・松本智津夫、執行時(63)=は5月16日、同村の第6サティアンにある高さ約50センチ、幅約100センチ、奥行き約330センチの〝隠し部屋〟にいたところを捜査員に発見され、逮捕された。ほこりまみれになりながら現金を抱え、うつぶせになって身を潜めていた。(梶原龍)

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