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警護徹底か、触れ合いか 「ここまでの雰囲気とは…」テロ厳戒態勢下の衆院選

産経ニュース / 2024年10月20日 18時12分

街頭演説の会場で持ち物検査をする警察官=20日午前、東京都豊島区(鴨志田拓海撮影)

衆院選(27日投開票)は20日、最後の日曜日を迎え、首相や閣僚、各党幹部らが応援演説に声をからした。前日に首相官邸などが襲撃され、警戒が強まる中での選挙戦。令和4、5年の要人襲撃を受けて強化された警護に対する理解は広がるものの、戸惑う有権者もいる。専門家は「徹底した警護が必要なものという共通認識を作っていく必要がある」と指摘する。

「手荷物検査にご協力をお願いします」「金属探知機もお願いします」

20日午後1時過ぎ、東京都品川区の武蔵小山駅前に、岸田文雄前首相が応援演説に駆け付けるとあって、ロータリーはものものしい雰囲気に包まれた。演説場所となる選挙カーの周囲を多数の警察官が警戒。進入路には車両防護柵が置かれて一般車両が入れないよう規制されていた。

最新資機材も活用

徹底した警護がとられるようになったのは令和4年に奈良市で安倍晋三元首相が、5年には和歌山市で岸田首相(当時)が襲撃される事件が相次いだからだ。警察庁は警護の基本事項を定めた「警護要則」を改定。警護計画の事前審査を行うこととし、警護の人員も増やした。また、政党や陣営に対し、金属探知機の使用や手荷物検査の徹底などを要請した。

警察庁によると、4年8月の要則改定から今年9月までで、審査した計画は約7200件。うち約75%に修正を施した。新たな資機材の活用も進んでおり、今年7月の東京都知事選では警護にドローンも活用された。また、ドローンによる攻撃などに備えて、飛んでいるドローンを検知し、接近すれば妨害できる装置も配備している。

厳戒に驚きも

20日に岸田氏が訪れた会場でも、聴衆エリアを柵で囲い、入るには手荷物検査などを受けるという「おなじみ」の光景が広がっていた。

ただ、石破茂内閣は初入閣の閣僚が多く、警護を受けることに不慣れな陣営もある。15日、初入閣した候補者が参加する街頭演説会場を訪れた支持者の男性は、柵で囲まれた会場を見て「話には聞いていたがここまでものものしい雰囲気になるとは」と驚く。陣営関係者も「警護の都合で演説場所も制限を受ける。仕方のないことではあるが、やりにくさもある」と明かした。

一方、必ずしも警察の要請通りの選挙となっているわけではない。警察庁は安全のため、聴衆に至近距離まで接近をしないよう要請しているが、実際には警護員に周囲を固められながら聴衆と握手を交わす要人は多い。警察幹部は「粘り強く意識を共有していきたい」と話している。

日本大危機管理学部の福田充教授(テロ対策)は、「選挙に不便さが生じたとしても、国民の代表である首相をはじめとする要人を警護するのは、民主主義社会を守るためのものだ」と指摘。その上で、「警察や陣営側が警護を徹底するとともに、予算や人員を投入してまで必ず守らなければならない対象者はどの範囲なのか、社会的な議論が必要だ」と話した。

(橋本昌宗)

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