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岐阜県内の花壇で続く動物頭部の発見 害獣駆除後の虐待か 鳥獣保護法違反の可能性も

産経ニュース / 2025年1月22日 18時20分

シカによる農作物被害は増えつつある(写真はイメージ)

岐阜県内の花壇の土中から動物の頭が見つかる事件が連続して起きている。21日には同県関市小瀬の住宅の花壇からキツネの頭部とみられるものが、9日には隣接する美濃市の小学校でシカの頭部が、それぞれ発見された。頭部の一部には損壊された形跡もあるといい、虐待された疑いもある。岐阜県内ではキツネとシカは害獣として駆除対象となっているが、行政の許可なく野生動物を捕獲すれば「鳥獣保護管理法」違反となる。

キツネとシカの頭部か

21日午後0時35分ごろ、関市小瀬の住宅で花壇の土中からキツネの頭や足とみられるものが埋められているのが見つかった。関署によると、動物の頭は縦約20センチ、横約15センチ、前足とみられるものは長さ約20センチで、腐敗はしていなかったという。

9日には、その現場から北約3キロにある美濃市の市立中有知小の小学校の花壇からシカの頭部が発見されており、同署は関連を調べるとともに、何者かが埋めた可能性もあるとみて捜査している。

増える野生鳥獣の被害

面積のうち関市は約8割、美濃市は約3割を森林が占め、シカやキツネなど多くの野生鳥獣が生息している。猟師の減少などにより、こうした野生鳥獣による農作物や人身への被害は増加傾向にある。

関市農林課によると、2022年度の野生鳥獣による農作物被害額は推定869万円に上る。23年の同市内の被害防止捕獲頭数はニホンジカが716件と種別で最多となり、キツネも29件となった。こうした背景から、今回の2カ所で発見された動物の頭部も、捕獲された野生鳥獣の可能性が高いとみられている。

ただ、野生に生息する鳥獣を行政の許可なく捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課される。例えば、捕獲した野生鳥獣の死骸を捕獲現場にそのまま放置した場合なども同法違反となる。

また、捕獲した鳥獣の死骸を現場から持ち出し、適切な処理をせずに生活環境上の影響が生じるような場所に放置した場合などは、「廃棄物処理法」に抵触する可能性がある。ちなみに、国の天然記念物に指定されている奈良公園内のシカを傷つけたり、殺したりした場合は「文化財保護法」違反に問われる。

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