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ローンオフェンダー、世界で脅威 犯行の予兆は察知困難、AI導入、情報収集強化

産経ニュース / 2024年9月29日 5時0分

警視庁が来年4月、公安部内に専従課を新設することになった、特定組織に属さず単独テロを実行する「ローンオフェンダー」は、犯行の予兆をつかみにくく、組織テロよりはるかに対処が困難という特徴がある。新たな形態のテロリストについて、世界各国の治安当局が危険性を認識しており、対策が喫緊の課題となっている。

1980年代以降、イスラム過激派による組織テロが激化し、2001年の米中枢同時テロでピークに達すると、米欧各国が対策を強化。既存テロ組織の掃討を進めた結果、国内自立型の攻撃が主流となった。

中でも、単独犯の形態は「ローンウルフ(一匹おおかみ)」と呼ばれ、後に犯人を称賛する懸念を踏まえ「ローンオフェンダー」と呼称が変わった。単独を意味する「lone」と、攻撃者を意味する「offender」を組み合わせた言葉で、頭文字を取って「LO」とも呼ばれる。

日本でも安倍晋三元首相銃撃事件(令和4年7月)や岸田文雄首相襲撃事件(5年4月)など、単独犯によるテロ事件が相次いで発生し、警察庁はローンオフェンダー対策を強化してきた。

今年4月からは全国の警察の警備・公安部門に司令塔を置き、刑事や生活安全、地域などの各部門で把握した事件の前兆とみられる情報を一元的に集約する態勢を整えた。

また、今年6月には銃器関連情報の拡散に歯止めをかけるため、改正銃刀法でインターネット上などで不特定多数に銃の所持をあおるような行為を罰則付きで禁じた。

銃や爆発物の製造に関する情報収集には、インターネット・ホットラインセンターを活用しているほか、キーワード検索によるサイバーパトロールを行い、危険なサイトや書き込みは管理者に削除を依頼。人工知能(AI)技術も導入し、文脈などを解析して犯行につながりそうな情報収集の態勢を強化している。(大渡美咲、橋本昌宗)

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