1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

斎藤知事告発の県民局長「PCデータ」がSNS拡散したのはなぜ 側近に浮上した漏洩疑惑

産経ニュース / 2025年1月7日 11時10分

兵庫県庁

兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑を告発した元県幹部の私的情報が漏洩した疑いが浮上している。私的情報とされるデータは交流サイト(SNS)で拡散。SNS上では私的情報に対しての見解が独り歩きしている状態となっている。漏洩は地方公務員法違反の疑いもあるが、一体、誰が何の目的で情報を流したのか。

漏洩した疑いがあるのは県西播磨県民局長だった男性が公用パソコンに保存していたとされるデータ。昨年11月の知事選に、斎藤氏の応援を目的に立候補した政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が同月下旬、男性の情報だとするデータをSNSで公開するなどした。

斎藤氏は12月、公開されたデータが「本物か分からない」とし、第三者委員会で調査する意向を表明。今月中にも弁護士による第三者委が設置される見通しだが、斎藤氏は「まずは(データの)同一性を確認する」とし、県の情報管理については「指摘すべきところがあればしてもらう」と述べるにとどめている。

私的情報が保存されていたとされる公用パソコンは昨年3月、斎藤氏の指示で告発文書の作成者を調べていた片山安孝副知事(当時)が男性を聴取した際、職場から回収したものだ。

6月に県議会調査特別委員会(百条委員会)が設置されると、男性は代理人を通じてプライバシーに配慮して調査するよう百条委側に依頼。百条委は、告発とは無関係な私的情報を調査の対象外とすることを決めた。

側近が私的情報を見せて回った、と週刊誌報道

ところが7月、斎藤氏の側近である井ノ本知明総務部長(当時)が県職員や県議に私的情報を見せて回っていたと週刊誌が報道。斎藤氏は、井ノ本氏らに確認したが否定したと説明し、第三者による調査を検討しているとした。

井ノ本氏自身は10月の百条委で、男性の私的な個人情報を印刷し、所持していたことを認めつつ、漏洩については「守秘義務違反の嫌疑を受ける可能性がある」と証言を拒否。だが、百条委が12月に県議への聞き取り調査を実施した結果、井ノ本氏から私的情報の記録を見せられたといった証言が複数寄せられた。

この漏洩疑惑については県の調査が続いているが、同月25日に開かれた百条委の斎藤氏への証人尋問では、情報漏洩も取り上げられた。漏洩疑惑が浮上してから半年近くが経過している状況を踏まえ、「速やかに刑事告発することは県民の個人情報を預かる知事の責務だ」とする指摘に、斎藤氏は「第三者委で適切に対応したい」などと繰り返した。

後を絶たない自治体が扱う個人情報の漏洩

自治体が扱う個人情報の漏洩は後を絶たず、刑事事件に発展したケースもある。

堺市では平成27年、市内全有権者約68万人の氏名などの個人情報が流出した。男性職員が独自の選挙事務システムを構築するため、無断で情報を持ち帰り、自作したシステムを民間のレンタルサーバーに保存した際、誤って閲覧可能な状態となっていた。

市は発覚後、速やかに流出状況を調査し、ネット検索会社に情報の削除を依頼。専門業者にも調査を依頼し、SNSなどへの拡散は確認されなかった。

大阪府八尾市では昨年5月、市立斎場の利用者の個人情報を葬儀関連業者へ提供した見返りに現金を受け取ったとして、男性職員が加重収賄と地方公務員法違反の疑いで大阪府警に逮捕された。市は6月に男性を懲戒免職処分としたが、内部調査に加えて第三者による調査チームも設置。別の男性職員も現金を受け取っていたとして、9月に懲戒免職とした。

岩手県釜石市では令和3年度、職員による個人情報漏洩事案が発覚した。市は内部調査のほか、顧問弁護士や警察に相談した上で住民基本台帳法違反罪で告訴状を提出。職員2人を懲戒免職とするなどし、市長と副市長も給与を減額した。

市の担当者は「第三者委員会設置の話もあったが、漏洩事案でセキュリティー強化などが必要だったため、スピード感をもって対処できる態勢を重視した」としている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください