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元衆院議員の肩書き悪用か 弁護士法違反の今野容疑者ら 特殊詐欺グループ関与の可能性も

産経ニュース / 2024年6月13日 18時0分

衆院議員だった2017年5月、衆院本会議で討論する今野智博容疑者=国会(斎藤良雄撮影)

詐欺の被害金を回収するとうたい、無資格者に法律事務を行わせたなどとして、警視庁捜査2課は弁護士法違反の疑いで、元衆院議員で弁護士の今野智博容疑者(48)=埼玉県深谷市=を逮捕した。無資格で法律事務をしたとして仲間の男女10人も逮捕。捜査2課は令和5年9月~6年3月、23都府県の20~70代の男女約900人から計約5億円を着手金として受け取ったとみて調べている。

捜査2課によると、今野容疑者らは、特殊詐欺やSNS型投資詐欺、ロマンス詐欺の被害者を対象に、被害金回収に向けて犯人グループの口座凍結依頼を受け付けるなどの法律業務を行っていたという。

相談者の大部分は詐欺被害者だったが、実際に返還された例はほぼなかったとみられる。着手金として受け取ったうち1割を今野容疑者が受け取り、残りを仲間で分配していた。

今野容疑者の逮捕容疑は5年12月~6年1月ごろ、男女10人が詐欺被害者5人から法律業務を請け負い、着手金として計約280万円を受け取る際、弁護士としての自身の名義を貸したとしている。捜査2課は認否を明らかにしていない。

捜査2課は、10人の背後には、特殊詐欺グループや「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」が関与している可能性もあるとみて捜査を進めている。

弁護士資格のない者が報酬目的で法律事務を行うことは「非弁行為」として禁止されている。

被害者に「警察では取り戻せない」

元衆院議員の今野智博容疑者とともに弁護士法違反容疑で逮捕された男女10人は、詐欺被害者に対し、今野容疑者が元衆院議員だと伝えるなどしていた。今野容疑者は、被害者を信用させるためにかつての肩書を悪用させていた形だ。

今野容疑者らは、「今野法律事務所」と題したホームページ(HP)を運営し、「詐欺被害の返金なら弁護士にお任せください」などと記載。今野容疑者の弁護士事務所は埼玉県深谷市にあるが、問い合わせ先の電話番号は東京都内にあったアジトにつながるようになっていた。

男女10人は依頼のために電話をかけてきた被害者に「警察では取り戻せない。取り戻せるのは弁護士だ」「うちの先生は元国会議員」などと持ちかけていた。

関係者によると、今野容疑者は幼少のころから政治家を目指していたといい、弁護士として活動した後、平成24年に自民党公認で衆院埼玉11区から出馬。比例北関東ブロックで復活して初当選を果たした。

2年後の衆院選でも比例復活し、2期務めたが、29年の衆院選は無所属で出馬し落選。その後は出馬せず、令和2年には「今野法律事務所」の代表に就任し、再び弁護士活動をしていた。

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