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<独自>海自が潜水服入札で特定業者優遇か 入札妨害など疑い 他社落札困難な仕様書

産経ニュース / 2025年1月14日 5時0分

海上自衛隊の全国の部隊の潜水服の一般競争入札で、特定業者以外の落札が困難な仕様書が使われていたことが13日、分かった。公表された昨年の大型入札10件中7件は横浜市の潜水服業者1社が受注していた。特定業者を優遇し入札過程をゆがめた官製談合防止法違反や公契約関係競売入札妨害などにあたる疑いがある。同様の情報は防衛省直轄の防衛監察本部にも通報された。

潜水服は海上護衛艦や潜水艦のメンテナンス、機雷除去、人命救助に必須の用具だという。特定業者の優遇は、防衛予算の圧迫や用具の性能低下につながり、安全保障上の脆弱(ぜいじゃく)性を生む可能性がある。政府は安全保障強化のため令和5年度以降、防衛予算を大幅に増額。防衛関係者は「増額にチェック機能が追い付いていない」とみている。

問題の仕様書は令和5年12月に海上幕僚監部装備需品課が公表した「潜水服共通仕様書」。各部隊でバラバラだった全国の入札基準を統一するための仕様書で、全国の基地が発注する潜水服の一般競争入札で使用されている。

仕様書は潜水服の裏地の素材の割合を「ポリエステル85%以上、ウレタン15%以下」などと指定。糸の太さ、生地の重さ、裏地の色も指定していた。複数の潜水服業者は「指定内容は性能に直結せず、合理性がない」とする。

複数の業者によると、仕様書公表当時、要件を満たす潜水服を作っているメーカーは1社しかなく、横浜市の潜水服業者「シンカテック」が、そのメーカーのものを事実上、独占して扱っていた。

公表された海自の契約額100万円超の入札情報によると、6年1~11月に海自が実施した潜水服の一般競争入札10件のうち、7件をシンカテックが落札していた。

問題の仕様書について海自は「必要な性能等を定量的に示した」もので「特定業者の優遇や排除はしていない」と説明。シンカテックは「要求性能は部隊が決めること。法律に触れることはしていない」としている。

公正取引委員会元幹部で東京経済大の中里浩教授は「他の業者の参入が困難となる仕様書は一般競争入札の原則から逸脱している」と話した。

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