障害者施設入所者の虫歯治療で腹に馬乗り、死亡させる 歯科医師と看護師を書類送検

大阪府警本部＝大阪市中央区

大阪市淀川区の障害者支援施設「アンダンテ加島」で今年5月、虫歯の治療中に入所者の男性の胸や腹を押さえつけて、急性呼吸障害で死亡させたとして、大阪府警は30日、業務上過失致死の疑いで、歯科医師の男（61）＝大阪市阿倍野区＝と、看護師の女（55）＝兵庫県西宮市＝を書類送検した。起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

府警によると、死亡したのは橋本邦彦さん（69）で、重度の知的障害があった。当時、治療を受けていた橋本さんが手足をばたつかせたので、看護師が腹に馬乗りになり、両肩を押さえつけた上、職員4人にも手足を押さえるよう指示。歯科医師は治療を継続したが、数分後に橋本さんの顔色が悪くなり動かなくなったという。

看護師は「腹の上に乗れば死んでしまうかもと思ったが、短時間なら大丈夫だと思った」、医師は「看護師に身体拘束は指示しておらず、見ていない」などと供述しているという。

2人の書類送検容疑は5月27日、大阪市淀川区の施設で、虫歯治療を受けていた橋本さんの胸や腹を押さえつけ、急性呼吸障害で死亡させたとしている。