「誠実さに欠けた。会見で説明すべき」フジ問題の文春訂正報道巡り、法政大の藤代裕之氏
産経ニュース / 2025年1月29日 20時34分
元タレントの中居正広さん(52)と女性のトラブルを巡り、フジテレビ局員の関与を報じた週刊文春が記事を訂正したことを巡り、同誌に経緯の説明を求める声が上がっている。ただ、同局のガバナンス(企業統治)の課題が深刻であることに変わりはなく、事実関係の究明は喫緊の課題だ。
「間違ったものは素早く訂正すべきだ。誠実さに欠けていたのではないか」。ソーシャルメディアに詳しい法政大の藤代裕之教授(ジャーナリズム論)は週刊文春の姿勢についてこう話す。
文春は、第1報で女性を誘ったのは同局員としていたが、続報以降では中居さんだったとして記事を作成。電子版の無料で見られるページに訂正を掲載し、謝罪したのはフジテレビ会見後の28日だった。藤代氏は「重要な訂正だ。信頼されるメディアでありたいならば、文春は会見を開き説明すべきだ」と述べた。
訂正が会見前に周知されていたとしても、テレビ局として高い公共性が求められているにもかかわらず、一度は閉鎖的な会見を開くなど企業姿勢が問われている。藤代氏は「嘉納修治会長と港浩一社長の辞任は避けられなかった」と指摘した。
同志社女子大の影山貴彦教授(メディアエンターテインメント論)は週刊文春に対して「影響力ある組織としての自覚が足りなかった」と話す。
オープン形式で行われた27日のフジテレビ会見には400人以上の報道陣が詰めかけた。10時間半近くという異例の長さに及び、一部記者の怒号が飛び交う場面も目立ったが、影山氏は「会見前に訂正が周知されていれば、あれほど長時間にはならなかったのではないか。もっと冷静な形で質疑応答が進行した可能性はある」と推測する。
ただ、「事実関係調査のために設けられた第三者委員会の調査が必要となる事案は依然として多く、組織変革などの課題は山積している」と述べ、訂正によってフジテレビが抱える課題に大きな影響はないとしている。(宮崎秀太)
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