「電話かけながらお金払うのはおかしい」 ７０代女性の被害防ぐ 千葉興銀行員らに感謝状

千葉南署の加納国男署長（後列左）から感謝状を受け取った千葉興業銀行鎌取支店の斎藤実恵子さん（前列左）と菅崎恵子さん（前列中央）ら＝６日、同署（松崎翼撮影）

高齢者の振り込め詐欺被害を防止したとして、千葉南署は６日、千葉興業銀行鎌取支店に勤める斎藤実恵子さん（４２）と菅崎恵子さん（６１）に感謝状を贈呈した。

署などによると、７月９日、来店した千葉市中央区の７０代女性が、携帯電話で通話しながら「３０万円を下ろしたい」と申し出た。対応した菅崎さんが理由を尋ねたところ、「身に覚えがないが、インターネット関連の未払金があり、支払いに応じない場合、裁判を起こすと言われている」と説明した。

「電話をつないだままお金を払うことはおかしい。詐欺だ」と直観し、報告を受けた斎藤さんが１１０番通報するととともに、信じ込んでいた女性を説得し、被害を食い止めることができた。

過去に経験した同様の事案では詐欺だと受け入れてもらえなかったこともあり、「『詐欺ですよ』と一方的に突き付けるのではなく、相手の話によく耳を傾けた上で理解してもらう」（斎藤さん）ことを意識した。女性は「振り込まずに相談してよかった」と安堵の表情を浮かべていたという。

千葉南署の加納国男署長は未然防止に感謝を示し「振り込め詐欺の被害額は増加している。積極的に今後も声掛けしてほしい。警察にも気軽に連絡してもらえれば」と話した。

感謝状を受け取った菅崎さんは「周りに相談できない一人暮らしの高齢者もいる。少しでも不安に思ったら相談に来てほしい」、斎藤さんは「詐欺を防ぐ最終窓口であることを実感した。お客さまとのコミュニケーションを大切にし、今後も相談しやすい雰囲気づくりに努める」と力を込めた。（松崎翼）