誹謗中傷で「別人のようになってしまった」 死亡した竹内元県議と親交のあった県議ら悼む
産経ニュース / 2025年1月20日 0時48分
兵庫県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員として斎藤元彦知事の疑惑を追及してきた元県議、竹内英明氏(50)の死去が報道された19日、親交のあった人たちは早すぎる死を悼んだ。交流サイト(SNS)上で誹謗中傷を受けて苦しんでいたという竹内氏。「別人のようになってしまった」「精神的に追い込まれていた」。親しい県議や県職員はそう口をそろえた。
竹内氏が所属していた県議会会派「ひょうご県民連合」の同僚だった県議は「青臭いくらいの正義感の持ち主で、民主主義を貫く政治家だった」と振り返る。それが昨年11月、知事選のさなかに竹内氏への誹謗(ひぼう)中傷が激しくなるにつれて憔悴し、「別人のような表情や言動になってしまった」。「ここまで追い込まれるとは」と心配し、知事選投開票翌日の11月18日に竹内氏が県議を辞めた後は「こちらから連絡を取るよう心掛けた」という。
最後に連絡を取ったのは今年1月16日。「『最後まで戦えず情けない』『議会に対しても百条委のメンバーに対しても県民に対しても申し訳ない』と後悔と謝罪の言葉を繰り返していた」
竹内氏は議員だった頃、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSを積極的に活用。自身のブログも開設し、政治家としての自身の日常や考え方などを分かりやすく伝えていたが、昨年10月下旬で投稿はストップ。議員辞職前後にアカウントも閉鎖した。
「ネット上の誹謗中傷は目にするとダメージが大きいので『見ないように』と忠告していた」。しかし、自身に関するネット上の情報は知人などからも多数送付されていたといい、「特に、信頼していた人から誤ったネット情報が送りつけられて『これは本当の話か?』と責められると、『自分は政治家として何をしてきたのか』という気持ちにさいなまれていたようだ」という。
同会派幹部の県議は「昨年12月下旬に電話で話した際、精神的に追い込まれているように感じた」と話し、「残念でならない」と竹内氏の死を悼んだ。
竹内氏と親交の深かった県職員は「名誉の回復にはならないからこそ、死を選んでほしくなかった。議員辞職したことで結果的に一人になってしまい、自分自身を追い込んでしまったのではないか」と肩を落とした。
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