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暗躍する悪質ホストの歌舞伎町スカウト「さらすぞ」 闇バイト募集と同じ手口 深層 歌舞伎町

産経ニュース / 2024年11月21日 21時6分

ホストにはまった女性が高額のつけ払い(売掛金)を抱え、スカウトを通じて性風俗店へ-。これまで取り沙汰されてきた悪質ホスト問題の裏にある構造が警視庁の捜査で次第に明らかになってきた。警視庁は全国約350の風俗店に女性を斡旋してきたスカウトグループを摘発した。浮かび上がってきたのは、一度取り込んだ女性から組織的にカネを吸い上げ続ける搾取ビジネスだった。

風俗店が女性〝落札〟

名前、体重、体のサイズ、働ける期間、写真…。女性のプロフィルを基に、一番高い値をつけた風俗店が女性を〝落札〟していく。

プロフィルを送るのは約160人のメンバーを抱える「アクセス」などのスカウトグループだ。警視庁は18日、女性を風俗店に紹介したとして、職業安定法違反容疑でアクセストップの男らを逮捕した。

警視庁によると、男らは交流サイト(SNS)を通じて風俗店で働く女性を募集し、応じてきた女性に身分証や顔写真などを送らせていた。捜査関係者は「闇バイトの募集方法に似ている」と指摘する。女性が働くのを途中で嫌がれば、写真などを「さらすぞ」などと脅していたという。

アクセスは店から一定額の「顧問料」と、女性の売り上げに応じた「スカウトバック」を受け取っており、女性が働き続ければ自動的にカネを吸い上げられる仕組みとなっていた。

ホスト捜査が端緒

アクセス追及の端緒となったのは、女性客=当時(20)=から売掛金を取り立てるために脅し、消費者金融で契約させたなどとして今年2月、東京・歌舞伎町のホストが摘発された事件だった。

被害女性が働いていた大分県の風俗店が判明し、多数の女性を供給していたスカウトグループが浮上した格好だ。

被害女性は令和4年10月、歌舞伎町で男にナンパされ、デートを重ねるうちに「実はホストなんだ」と打ち明けられた。

店に通い始めてから1年ほどの間で約460万円を使った。その返済のために、スカウトに仲介されて埼玉、大分など全国の風俗店へ出稼ぎをするようになった。稼いだ金のほとんどをホストに貢いだという。

女性に恋愛感情を抱かせる典型的な「色恋営業」だったが、ホストとスカウトで交わされたラインには、女性を「商品」として軽んじるやりとりが残っていた。

《生理中に出稼ぎは大丈夫ですかね?》

《接客に支障がなければOKな場合もあります あとはピルでみんな調整してますね》

《次から調整させます》

生理中の女性に血液が漏れないよう処理をして勤務させるという内容もあった。

管理された売春

被害者支援団体「青少年を守る父母の連絡協議会」の田中芳秀事務局長は「女性が判断しているように見せかけ、売春するマインドにさせているのはホストやスカウトだ」と指摘する。妊娠や中絶を経験した女性も多く、田中氏は「ホストたちによる管理された売春が行われている」とする。

ホストにはまった女性が風俗店で勤務するようになれば、女性の稼ぎからホスト代が支払われる。風俗店は売り上げを伸ばし、スカウトも潤い続ける。そんなシステムが構築されている。

組織的な売春で多数のスカウトやホストらが摘発されたが、これは氷山の一角に過ぎない。一連の捜査の中で明るみに出た巨大なスカウト組織。警視庁は悪質ホストクラブとのつながりも視野に実態の解明を進める。(橋本愛、前島沙紀)

=随時掲載

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