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文春フジ誤報問題「しれっと上書き」「有料で追記」「会見後に謝罪」22日間訂正せず

産経ニュース / 2025年1月29日 16時20分

週刊文春の一連の記事

元タレントの中居正広さん(52)と女性とのトラブルをめぐり、週刊文春が28日、フジテレビ編成幹部の関与について事実関係を訂正した。「中居さん問題」から「フジテレビ問題」へと発展したトラブルの核心部分にもかかわらず、文春側はこの情報を年明け早々につかみながら明確に訂正していなかった。弁護士の橋下徹氏が「しれっと上書き」と指摘した部分はどのように書き換えられていたのか、検証した。

「いわば上位の立場」A氏主導が前提

昨年12月26日発売の文春の初報(1月2・9日合併号)ではトラブル発生当日の会食について「フジ編成幹部A氏に誘われた」とし、それを前提とした内容の記事になっていた。

端緒となったのは12月19日発売の女性セブン1月2・9日合併号。「中居正広 巨額解決金 乗り越えた女性深刻トラブル」と題した記事で、「関係者の話」として「トラブルにはA氏が関与しているとされ」るとした上で、トラブルの発端は「A氏が中居(さん)に声をかけた飲み会だった」「当初は、中居さんとA氏、A氏が呼んだ芸能関係の女性の3人で会食する予定だったが、急にA氏が行けなくなったと言い出した」と伝えていた。

この報道を追いかける形となった文春の初報には、「女性の知人の話」として、「あの日、X子(女性)は中居さん、A氏を含めた大人数で食事をしようと誘われていました。(中略)彼女は『Aさんに言われたからには断れないよね』と、参加することにしたのです」と紹介。

さらに、女性セブンよりも踏み込む形で、「なぜなら、X子さんにとってA氏は仕事上の決定権を握る、いわば上位の立場にあった」と上下関係を記載。「『A氏に仕組まれた』と感じた彼女」など、A氏が主導したことを前提とした記述が続いていた。

記事では、A氏に直撃取材し「女性を誘ったか」という質問に対し、A氏は「いえいえ。全然」との回答も記していた。

ところが、今年1月8日発売の週刊文春1月16日号では、「女性の知人談」として「あの日、X子さんは中居さんからA氏を含めた大人数で食事をしようと誘われていました」と食事会に誘導したのは中居さんであると明記。さらに、女性自身の言葉として「Aさんがセッティングしている会の〝延長〟だったことは間違いありません」とした。

今月27日に配信された文春電子版のフジテレビ問題をテーマにしたインタビュー記事で橋下氏が「前提が変わっていました」「しれっと誤りを上書きしていたのです」とし、「読者に対して不誠実」と批判したのはこの部分とみられる。

全容知る女性の知人「中居さんが鍋パーティ」

フジテレビはすでに年末の12月27日、社員が会食の設定を含め一切関与していないとする声明を発表。1月9日には中居さんが公式サイトで「このトラブルについては、当事者以外の者の関与といった事実はございません」とコメントを発表していた。

週刊文春はその後、16日に発売された1月23日号で「全容を知る」とされる「女性の知人」の話として「中居さんから『みんなで鍋パーティをやろう』と誘われました」と、誘ったのは中居さんであると改めて明記したが、当初の「Aさんに言われたからには断れない」「『A氏に仕組まれた』と感じた彼女」などの証言についての訂正はなかった。

すでに「フジ社員の関与」情報の独り歩きは止まらず、文春側が「X子さんは中居に誘われた」とする「追記」がネットで配信されたのはフジテレビが夕方からフルオープンの記者会見を開いた1月27日の午前。しかもこの記事は有料ページに掲載されていたため、会見に出席した記者らが一連の経緯を把握しないまま質問する事態となった。文春が電子版の無料で見られるページに「訂正」を掲載し、謝罪したのは28日だった。

週刊文春の竹田聖編集長は産経新聞の取材に対し、「第2報以降を読んでいる方には分かってもらえているが、第1報だけを読んだ人は勘違いしてしまうということで訂正を追記した」と話した。紙媒体の誌面にも、「何らかの形で掲載することになる」としている。

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