東京都への児童生徒の性暴力相談 昨年度１０００件超 夏休みに合わせ対策動画も公開

都が配信している子供の性被害防止動画（都提供）

東京都が児童生徒向けに開設している性暴力に関する相談窓口に寄せられた相談件数が令和５年度、１０１１件だったことが分かった。都は夏休み開始に合わせ、今月１９日から性暴力に関する正しい知識と被害を受けた際の対処方法などをまとめた子供向け動画を公開するなど、被害防止や啓発のための取り組みを進めている。

児童生徒を教職員らによる性暴力から守るため、都は４年４月、相談窓口を開設。昨年度は、より細かく被害実態を把握できるよう相談シートを改良、相談件数は４年度の２３５件から４倍以上となった。

相談シートは性被害の専門家と作成。例えば、低学年向けの相談シートでは何が性暴力に該当するか認識できていない子供のトラブルも把握できるよう、「大人からされておかしいなと思ったこと」を聞くなど質問を工夫している。また、調査を通じて、体を触られたり２人きりになったりすること自体が問題だと周知することにもつながっているとしている。匿名での相談や、友人の被害を相談することも可能だ。

動画は、ユーチューブの都子供政策連携室チャンネルなどで公開。都の担当者は「相談を受けた教職員が生徒を傷つけることのないよう、初動対応研修も昨年夏に実施するよう指示している。なるべく早期に相談しやすい環境を整えたい」と語っている。（當銘梨夏）