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自身の異動察し…現金補塡のため金塊窃盗か スマホには貸金庫中身の写真800枚

産経ニュース / 2025年1月16日 18時0分

三菱UFJ銀行練馬支店=15日午前、東京都練馬区(酒井真大撮影)

三菱UFJ銀行の貸金庫から金品が盗まれた事件で、警視庁捜査2課に逮捕された元行員、今村由香理容疑者(46)が自身の異動を察し、犯行発覚を恐れて盗んだ現金を補塡するため、金塊を質入れして現金化していたという趣旨の供述をしていることが16日、捜査関係者への取材で分かった。今村容疑者のスマートフォンからは、貸金庫の中身を撮影した約800枚の写真も見つかっており、捜査2課が分析を進めている。

金塊をバッグで持ち出し質入れ

今村容疑者は令和2年4月~6年9月、東京都練馬区にある江古田支店と練馬支店で勤務し、10月に世田谷区の玉川支店に異動。10月末に犯行が発覚するまでの間、計約17億円相当の金品を盗んでいたとされる。

捜査関係者によると、玉川支店への異動前、後任に犯行が発覚することを免れるためには、貸金庫内部の原状回復が必要と考えた今村容疑者は現金を用意するため、「(換金性の高い)金塊を盗み出すことを決めた」と話しているという。

金塊は貸金庫から用意した籠に移し替え、布をかぶせて他の行員に見えないようにした上、自身の机の引き出しに一時的に保管。閉店後、バッグに入れて銀行外に持ち出していた。数日間にわけて首都圏の複数の質店に質入れし、得られた現金を貸金庫に戻していたとみられる。

今村容疑者は貸金庫利用者の来店頻度を確認して犯行におよんでいた。盗む前に貸金庫内部を撮影しており、金品を補塡する際の資料にしていたとみられている。

銀行のチェック体制に甘さ

ほかの行員がいる時間帯にも白昼堂々と行われていた今村容疑者の犯行。隠蔽工作をしていたとはいえ、約4年半にもわたって発覚しておらず、三菱UFJ銀行のチェック体制の甘さが浮き彫りになった形だ。

同行によると、貸金庫は銀行と顧客双方の鍵がないと入室、開錠できない仕組み。金庫の開閉時にはコンピューター上にログが残るなど不正防止のためのセキュリティーが施され、第三者による定期チェックも導入していた。

今村容疑者は支店内に保管するスペアキーを持ち出し、コンピューターの電源を落とすことで記録に残らないようにしていた。捜査関係者によると、「利用客と鉢合わせないよう、主に午後3時の営業時間外を狙っていた」と供述。ほかの行員がいても犯行におよんでおり、支店内のチェックは全く機能していなかった。関係者は「電源を落としたら盗んでもばれないというのはいくらなんでも管理が甘すぎる」と批判を口にする。

同行は顧客のスペアキーを本部で一括管理するなどの再発防止策を公表しているが、「信用」が全てといっても過言ではない貸金庫業務に対する信頼回復は、長い道のりとなりそうだ。

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