91事業者で不適切な「輪軸」、50事業者が改竄データ車両を運行 国交省が発表
産経ニュース / 2024年9月30日 20時44分
鉄道車両の車輪に車軸をはめこむ「輪軸」の組み立て作業に不正があった問題で、国土交通省は30日、鉄道事業者らに行っていた緊急点検の速報をまとめた。調査対象となった156事業者のうち91事業者に規定値の逸脱など不適切事案があり、このうち5事業者がデータを改竄していた。改竄された車両を運行していたのは50事業者。安全運転できない車両を使用している事業者は確認されなかったとしている。
国交省が同日開催した「安全統括管理者会議」で報告された。国交省は今後、検証会議を立ち上げ、車軸の安全性の確認方法などを議論する。
報告によると、改竄を行っていたのはJR東日本、JR貨物、メトロ車両の3鉄道事業者と、委託を受けて車両製造を行う京王重機整備、総合車両製作所の計5社。いずれも9月中に特別保安監査が実施され、調査が続いている。
このうちJR東では平成20~29年にかけ輪軸のべ1187本について、作業時にかかった圧力を社内規定におさめるよう記録を書き換えていた。大半が交換されたが、規定を下回る圧力ではめ込まれた輪軸が現在、在来線で計76本が使用されている。年内に交換する予定。
輪軸問題をめぐっては、7月24日にJR新山口駅で発生したJR貨物の貨物列車の脱線事故を受け、組み立て作業を確認中に社員から不正の申告があった。その後の調べで、鉄道各社で相次いでデータ改竄が発覚した。斉藤鉄夫国交相は30日の会議で、一連の改竄について「安全確保の仕組みを根底から覆すもので極めて遺憾」と述べた。
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