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東京・中目黒駅近くで凄惨事故 日比谷線脱線で69人死傷の教訓 警視庁150年 107/150

産経ニュース / 2024年11月13日 8時0分

通勤通学客で混み合う地下鉄の日常の風景が一変した。平成12年3月8日午前9時ごろ、営団地下鉄(現東京メトロ)日比谷線中目黒駅(東京都目黒区)近くで、下り線の最後尾車両が脱線し、対向する上り列車に衝突した。上り列車には約1千人が乗り満員状態。窓を突き破った部品が乗客を襲い、車両の側面は深くえぐれた。

乗客5人が死亡、64人が重軽傷を負った。犠牲となった17歳の高校2年の男子生徒は、東大入学を目指しながらプロボクサーを志していた。事故の1年後、遺族に卒業証書が贈られたという。

運輸省(当時)の鉄道事故調査検討会は12年10月、車輪にかかる荷重の不均衡やレール断面の形状など、複合的な要素が働き、脱線に至ったとする報告書をまとめた。警視庁は13年3月、業務上過失致死傷容疑で当時の日比谷線工務区長ら5人を書類送検。東京地検は14年10月、「事故の予見は困難だった」として5人を不起訴とした。

安全輸送が使命の公共交通機関の事故は多くの教訓を残した。13年に運輸安全委員会の前身となる「航空・鉄道事故調査委員会」が発足。東京メトロは研修施設に「安全繋想(けいそう)館」を設け、資料を展示し、職員に事故の記憶を継承している。(内田優作)

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