1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

悪質マルチ「プレジデント」 マッチングアプリ通じ若者から大金吸い上げ

産経ニュース / 2024年7月11日 16時47分

悪質な勧誘を行うマルチ商法として業務禁止命令を受けたにもかかわらず、同様の勧誘行為を行ったなどとして、警視庁生活経済課が、特定商取引法違反(業務禁止命令違反)の疑いで逮捕した「President」元社長の坂本新容疑者(30)らは、ビジネススクールに若者らを引き込んでいた。そして入会した若者がさらに勧誘を行わされ、被害が拡大。会員はマッチングアプリで〝アポ取り〟を行い、幹部は勧誘成績を競い合わせることで、若者らから大金を吸い上げていた。

「現状維持は衰退の始まり」「月収100万円稼げないわけがない」。幹部らが熱弁をふるい、会場に歓声と拍手が湧き起こる。「皆同じように相づちを打ち、洗脳されているようだった」。東京都内の大学4年の男性(24)は、当時の様子をこう振り返る。

令和3年6月、男性はマッチングアプリで知り合った女性と喫茶店で話していると、突然「参加してみない?」とサークルのような集合写真を見せられた。楽しそうだと答えると、「役に立つ話が聞ける」と他に人を紹介するといい、後日4人で会うことになった。

女性はビジネススクールの会員で、他の2人はその上位会員だった。喫茶店に集まると、「スクールでバイナリーオプション(為替相場の変動を予想する投資)を学んで稼げる」と長時間勧誘を受けた。「今の生活を変えたくない?」。入会金42万9千円はその場で消費者金融での借り入れを指示された。

借金を負って入会した後、男性は会員にマッチングアプリで見た顔が多いことに気付いた。「アプリでの勧誘は常套(じょうとう)手段で、相手は初めから勧誘しか考えていなかった」。嫌悪感を抱き、自身も勧誘を促されたが気が進まなかった。ある日、初めに知り合った女性がスマートフォンで消費者金融のアプリ画面を見ているのを目にした。「私もまだ返しきれてないんだよね」。スクールからは足が遠のいた。

新型コロナウイルス禍で友人との関係が希薄になったり、在宅時間が増え家族との関係に悩んだりしていたという男性。「人とつながりたいという思いを悪用された」と憤った。(橋本愛)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください