日本赤軍「ハーグ事件」発生から50年 釈放された奥平純三容疑者は現在も逃亡、生死不明
産経ニュース / 2024年9月13日 11時28分
1974年に日本赤軍がオランダ・ハーグの仏大使館を占拠した「ハーグ事件」から日本時間14日で50年を迎える。関係者は高齢化し、実行役の奥平純三容疑者(75)は超法規的措置で釈放された後、行方も生死も分からないままだ。
人質取り、仲間を釈放させる
事件は74年9月13日(日本時間14日)、日本赤軍メンバーの奥平容疑者や和光晴生元受刑者、西川純受刑者(74)がハーグのフランス大使館を武装占拠。ジャック・スナール大使ら11人を人質に取り、警察官2人に発砲して重傷を負わせた。同年7月に偽造旅券でフランスに入国しようとして逮捕されたメンバーの解放を要求。人質と交換で釈放させた上、シリアに逃亡した。
日本赤軍はその後も人質を取って仲間を釈放させるテロを行い、米大使館などを占拠した「クアラルンプール事件」(75年)や日航機をハイジャックした「ダッカ事件」(77年)で、日本政府は超法規的措置で被告や受刑者を釈放、出国させた。
奥平容疑者はクアラルンプール事件に関与した後、ヨルダンから日本に強制送還され逮捕されたが、ダッカ事件の超法規的措置で出国し、国際手配中だ。和光元受刑者はクアラルンプール事件に関与して無期懲役が確定して服役中の昨年、75歳で死亡した。西川受刑者はクアラルンプール事件で出国し、ダッカ事件に関与した。無期懲役が確定して服役中だ。
重信房子元最高幹部は無実主張
ハーグ事件を指示したなどとして国際手配されていた日本赤軍の重信房子元最高幹部(78)は、平成12(2000)年に潜伏先の大阪府内で逮捕され、懲役20年が確定し服役。一昨年に出所した。
公判ではハーグ事件について「事件はパレスチナ解放人民戦線(PFLP)によるもので、自分は関与していない」と無罪を主張していた。昨年出版した著書でも改めて無実を訴えている。
事件で人質になったスナール元大使の息子、ジャンドミニク・スナール氏は2019年に仏自動車大手ルノーの会長に就任した。スナール元大使は翌年に100歳で死去した。(渡辺浩)
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