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「ただいま、ありがとう、ごめんね」 能登地震で妻子4人失った男性、現場訪れ感謝と謝罪

産経ニュース / 2025年1月1日 15時9分

妻子4人が犠牲となった現場で花束を手向ける大間圭介さん=1日午前10時32分、石川県珠洲市仁江町(恵守乾撮影)

能登半島地震から1年となった1日、妻子4人を亡くした石川県警の警察官、大間圭介さん(42)=金沢市=が、妻子らが犠牲になった石川県珠洲市仁江町の妻、はる香さん=当時(38)=の実家跡を訪れた。現地を訪れたのは地震後初めて。「ここに家族がいるような気もする。1年というタイミングで来なくてはいけないのかな、という思いもあった」と語った。

大間さんは地震が起きた1年前、一家5人で妻の実家に帰省中、一人で家を出た直後に地震が発生。裏山が崩れて妻と長女の優香さん=同(11)、長男の泰介(たいすけ)君=同(9)、次男の湊介(そうすけ)君=同(3)=や、義父母ら計9人が犠牲となった。

午前10時半ごろ、大間さんは土砂崩れの跡が残る現場に花束を手向け、静かに手を合わせて祈った。「ただいま、ありがとう、ごめんね」。心の中で4人にかけた短い言葉には、感謝と謝罪の思いが詰まっていた。

久しぶりに現場を見て「当時の楽しかったことを思い出した」という大間さん。現場には土砂崩れでつぶれた自家用車の残骸も残り、次男が使っていたチャイルドシートも見えた。「あの車でいろんなとこに行ったなとか、(地震直前の帰省で)帰ってくるとき、車の中でみんなで歌ったなあとか、そんな記憶が蘇ってきた」という。

一家5人で暮らしていた金沢市内の自宅は地震後、帰宅しても出迎えてくれる家族はもういない。妻子4人を同時に失った悲しみは、たった1年では癒えない。

「残りの人生、家族の分まで一日一日を無駄にせず生きていけたら」(恵守乾)

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