訓練ではなく〝本番〟 政府が9月1日「防災の日」の訓練中止 台風10号の対応に万全

台風10号に関する関係閣僚会議で発言する岸田文雄首相（左から2人目）＝29日午後、首相官邸（春名中撮影）

政府は9月1日の「防災の日」に実施予定だった総合防災訓練を中止し、接近している強い台風10号の対応に万全を期す。29日、鹿児島県に上陸した台風10号は動きが遅く、9月に入っても暴風雨が続く見通しで、訓練ではなく〝本番〟の対応に専念する。

政府の防災訓練は毎年、関東大震災が発生した9月1日の「防災の日」に行われており、今回は日本・千島海溝地震を想定。閣僚が徒歩で首相官邸に参まり、岸田文雄首相を本部長とする緊急災害対策本部を設置した上で、国と地方自治体が連携し、被害状況や各省庁の対応を確認する予定だった。

岸田首相は29日午後、台風10号に関する関係閣僚会議を開き、「引き続き大雨被害や土砂災害、河川の氾濫、暴風などに最大級の警戒を行う必要がある」と述べ、即応体制の保持を指示した。