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「じえいたいのみなさま ありがとう」能登地震の自衛隊派遣終了 被災者寄り添い244日

産経ニュース / 2024年9月1日 11時0分

民家を訪ねた女性隊員は、おばあさんに抱きしめられた=1月21日、石川県輪島市門前町(陸自姫路駐屯地提供)

能登半島地震の発生から8カ月となる中、防衛省は8月31日夜、地震での災害派遣を終了した。石川県珠洲(すず)市で入浴支援に当たった最後の部隊が2日撤収する。派遣期間は平成23年の東日本大震災の際の174日間を超え、31日までで244日間。地震への対処では過去最長となった。

1040人の命を救う

地震は1月1日午後4時10分に発生。35分後の同45分、石川県の馳浩知事は陸上自衛隊へ災害派遣を要請した。

地震発生時、輪島市の航空自衛隊輪島駐屯地には約40人の隊員がいた。駐屯地も大きな被害を受けながら、避難者約1千人を受け入れ、救助活動に当たった。

翌2日には陸海空3自衛隊の統合任務部隊(JTF)を編成。最大約1万4千人態勢で、当初の1カ月間に約1040人の人命を救助した。雪の降る中で支援物資を背負い、道路が寸断された孤立集落まで歩いて食料を届けた。施設部隊は昼夜を分かたずの作業で道路を通した。

孤立集落の家々や避難所を訪ね、住民のニーズを聞き取って物資を届ける「ニーズ把握隊」も活動した。兵庫県姫路市の陸自姫路駐屯地からは、1月5日から2月1日まで延べ2696人が派遣され、ニーズ把握隊にも加わった。

避難所となった能登町の集会所。机の上に、幼い文字で書かれた手紙が置かれていた。

「じえいたいのみなさまへ いつもありがとうございます」

その下には大人の文字で「いつもありがとうございます。とても助けてもらっています」と書き添えられていた。

被災者に抱きしめられ

2月2日からは統合任務部隊を解消し、陸自を中心に海自、空自も加わる態勢に移行。最大約1万人態勢で給食や給水、入浴支援などに力を注いだ。

とりわけ奥能登地域の珠洲市では断水が長引き、他の自治体は5月28日の輪島市を最後に活動が終了した後も、入浴支援が続けられた。

防衛省によると、8カ月間の延べ派遣人員は約114万人。運んだ食料は8月25日時点で426万6千食、飲料水233万4千本。給食支援25万9千食、給水支援640万リットル、入浴支援は49万4千人に及んだ。

ニーズ把握隊として輪島市門前町の民家を訪ねた女性隊員は、おばあさんから自分の孫と同い年だといわれ、こう言って抱きしめられたという。

「手足を冷やさないように、お互い頑張りましょうね」

姫路駐屯地の広報担当者は「近年は『災害派遣で困っている人の役に立ちたい』との希望を胸に入隊してくる若者も増えた。隊員たちは被災した方々から逆に励まされ、エネルギーをもらった。全力で被災者に寄り添う活動を続けた」。

地震から8カ月、隊員たちはそれぞれの任地で、訓練に励む日々という。

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