災害に強い小規模な「分散型」水道、全国導入へ 長期断水の石川・珠洲で政府が先行調査
産経ニュース / 2025年1月23日 20時43分
令和6年1月の能登半島地震で水道の復旧が遅れた石川県内の被災地で、政府が湧水を活用した「分散型水道システム」の実現可能性調査に乗り出していたことが23日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。政府は別途、被災6市町での実証事業を募集しており、被災地の本格復旧と合わせ、災害に強い分散型水道を山間部など全国へ広げる方針。
政府が調査を行ったのは石川県珠洲市馬緤地区。能登半島地震では各地で老朽化した配管が損傷した上、家屋倒壊で地下配管の修復に手間取るなどしたため、断水がほぼ解消するまで約5カ月かかった。さらに、昨年9月の豪雨で浄水場が土砂崩れで埋まるなどし、断水が再発していた。
約5キロ離れた浄水場から77世帯が送水を受ける馬緤地区では、地震と豪雨で2度断水したが、生活用水に地区内に湧く地下水を利用した。住民は市に対し、可搬式の浄水機器を設置し、地下水を小規模水道として活用する対策を求めている。
能登半島地震への対応を検証した有識者会議の報告書は、水道設備の強靱化について「災害に強く持続可能な将来にふさわしい整備を行うべき」として分散型を提言。政府は馬緤地区での調査結果を分析し、年度内をめどに同市と具体的対応を協議して結論を出す。
これと別に、政府は能登6市町で分散型水道に関する技術実証事業(上限3億円)を今月末まで公募しており、来年度中に事業化する。一時孤立した珠洲市真浦地区などでは排水を循環浄化する技術の活用が検討されているという。水質基準や維持管理の方法について実証事業で検証し、将来的に他の自治体への展開を目指す。
分散型水道システム
水源から取水した水を浄水場で衛生的に浄化し、配水網を通じて各世帯へ届ける大規模集約型システムに対し、中山間部で用いられる小規模で簡易な水供給の総称。旧来から各世帯で使用される井戸水や湧水を活用した小規模水道に加え、浄水場から配水池へ水を運ぶ運搬送水や、最新の水循環技術を駆使した浄化槽などの方法がある。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「水資源生かしたい」能登、断水被災住民の思い 分散型水道システムに実現の可能性
産経ニュース / 2025年1月23日 21時49分
-
災害公営住宅10市町で3千戸 能登地震、用地確保へ調整
共同通信 / 2025年1月22日 17時39分
-
「復興・復旧なんて夢のまた夢」能登半島地震から1年 被災地で加速する人口流出【報道特集】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月18日 6時30分
-
「水!水ですよ!」地震と豪雨で2回も断水…水道局への感謝に反響 復旧まで時間がかかった問題とは
まいどなニュース / 2025年1月16日 6時55分
-
「能登半島で暮らす」79% 半数超が元の自宅強く望む
共同通信 / 2024年12月30日 21時12分
ランキング
-
1英BBC「日本芸能界を揺るがす疑惑」と報道 中居正広さん問題
毎日新聞 / 2025年1月23日 20時53分
-
2【続報】懸念的中 中国籍観光客が列車にはねられ死亡 なぜ線路で撮影?現場でわかったその理由
STVニュース北海道 / 2025年1月23日 18時54分
-
3中居正広引退でフジ・メディアHD株価下落 引退発表直後23日最安値、前日比154円5銭安に
日刊スポーツ / 2025年1月23日 17時22分
-
4小児がんと闘う6歳少女 「10年後生存率は0%」でも、イタリアに新たな治療法 クラファンで7500万円募る
ABCニュース / 2025年1月23日 19時11分
-
5中国で大流行のウイルス「hMPV」、春節での中国人大移動によって日本各地で大流行する可能性 山形、宮城など東北地方を訪れる中国人が増加する見込み
NEWSポストセブン / 2025年1月23日 16時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください