台風７号、海水温高く勢力強め「猛烈な」風雨 速度遅く雨量平年の１カ月分超えも

８月１３日の海面水温。日本の南の海上に３０度以上の高温域が広がっている（気象庁提供）

強い勢力で関東、東北へ接近中の台風７号は、日本の南海上の海面水温が沿岸部まで高く、勢力を強めながら北上する。加えて、台風を流す風が弱いため、時速２０キロと速度が遅く、関東を中心に総雨量が増える見込みになっている。

気象庁の予報では、台風７号は勢力の強さを示すヘクトパスカルが１５日午前９時現在の９７０から１５日午後９時には９６０、１６日午前９時に９５０まで低下。勢力を強めながら１６日夕方から夜にかけて関東へ最接近する。

勢力で注意が必要なのは風だ。千葉、茨城両県の海上では、電柱が倒れたり走行中のトラックが横転したりする最大風速４０メートルの猛烈な風が吹く。陸地でも車の運転が困難な３０メートルが予想される。

勢力を強めるのは、台風の進路上で海水温３０度以上と平年より水温が２度前後高い海域が広がる影響が大きい。台風のエネルギー源となる水蒸気が海面から供給され続けるため衰えずに進む。海面水温の高い海域は東北にかけて広がっている。

さらに移動が速めの自転車と同程度の時速２０キロと遅く、猛烈な雨で総雨量が増えそうだ。関東の予想雨量は１６日正午までの２４時間で２００ミリ、１７日正午までの２４時間で２００ミリと予想。東京では８月の平年１カ月分の雨量が１５４ミリで、これを超える雨が２日続く。

伊豆諸島では１５日夜から１６日日中にかけ、集中豪雨をもたらす線状降水帯の発生も予想される。気象庁の担当者は「上陸の可能性は低いが、西寄りを進めば千葉県にかなり接近する。離れた場所でも雨量が増える恐れがあり、十分警戒してほしい」と話した。