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和歌山・岸本知事「少し用心しすぎた」南海トラフ地震臨時情報対応で 観光は今後の振興策を

産経ニュース / 2024年8月20日 16時24分

南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)への対応について述べる和歌山県の岸本周平知事=和歌山市

気象庁が8日に初めて発表した南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)について、和歌山県の岸本周平知事は20日、県庁での定例記者会見で「(今回の対応は)『少し用心しすぎたかな』と思っている」との見解を示し、観光イベント中止の判断などで「(臨時情報に対する)一定の基準のものさしがなかったので、統一のものさしを国で作っていただきたい」と述べた。

今回の南海トラフ地震臨時情報は、8日午後4時43分ごろ発生した宮崎県・日向灘を震源とする震度6弱の地震と南海トラフ地震との関連を気象庁が調査し専門家らが評価。防災対応をとる必要がある場合は「巨大地震警戒」「巨大地震注意」が出され、それ以外の場合は調査を終了するという流れだった。

「巨大地震注意」が出されたことで、同日に開かれた県の災害対策本部では、各部局が24時間体制で対応することなどを確認。県民には避難経路や避難場所の確認、食料の備蓄などを呼び掛けた。

岸本知事は「1週間は地震が発生する確率が高まったということで、緊張感を持って受け止めた」と説明。しかし、「気象庁などの発言では『社会活動や経済活動は従来通りやってください。ただし、地震に対する備えを改めて確認してください』とのメッセージだった」と話し、受け止めた側の緊張の度合いが高すぎたことを指摘した。

岸本知事は「注意することに越したことはないが、『少し用心しすぎたかな』と思っている。『えらいこっちゃ』ということだったが、通常の社会活動や経済活動の中で、地震への備えを再確認するとの意味が、今回の注意だった」と述べた。その上で「市町村の受け止め方を整理し、国から問い合わせがあった場合、答えられるようにしたい」とした。

南海トラフ地震発生時に県内では最短3分で津波が到達し、最大津波高は19メートルと想定される。今回、白浜町は白良浜など町内4カ所の海水浴場を遊泳禁止とし、予定していた花火大会も中止。JR西日本も県内の海岸線を走る紀勢線の特急の運行を休止した。

この影響で多くの宿泊客のキャンセルがあり、白浜町では「5億円の損害が出た」(大江康弘町長)という。岸本知事は「(県によって)イベントをやったところ、中止されたところ、1週間延期されたところがあった。同じ南海トラフの区域であれば、一定の対応をするのが本来ではないか。しかし、一定の基準のものさしがなかった」と発言。観光の損失補填(ほてん)については「台風時のキャンセルは民間のビジネスの範囲で処理することが通常。今回もそれに類する事象と思う。ただし、観光地・和歌山にお客さまが来ていただけるように、前向きの支援ができないかを検討し、観光客を取り返す観光振興の事業を考えていきたい」と話した。

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