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市町村の災害対応に限界 「防災省」構想は「形より中身の議論を」 片田敏孝・東京大大学院特任教授(災害社会工学)

産経ニュース / 2024年10月5日 23時27分

片田敏孝・東京大学大学院特任教授

気象災害が激甚化し、南海トラフ巨大地震や首都直下地震が予測される中で、国の防災行政強化が求められるのは論を待たない。

内閣府防災部門は国土交通省の河川管理職員が中心で、洪水を防げなかった場合の次善策としていかに住民を守るかが基本的発想にある。人々に行動変容を促すコミュニケーションのあり方や避難所支援などの専門家とは必ずしも言えない。人員の拡充だけでなく、いかに専門人材を育成するかという視点が必要だ。

一方、災害現場ではいつも自治体職員が対応力の限界を迎える。数十年に1回の大規模災害に対し、災害対策基本法で一義的に責任を負う市町村は毎回初の経験となる。

また、大河川が氾濫した場合に市町村外へ避難を求める「広域避難」は事前の避難所調整が進まない現状がある。いずれにせよ、都道府県の主体的関与が必要だ。

「防災省」について議論するのはいいが、省庁の形だけでなく、日本の防災のあり方をどうしていくのか、法制度を含めた中身の議論をすべきではないだろうか。(聞き手 市岡豊大)

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