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谷川俊太郎さん死去、92歳 戦後を代表する詩人 「二十億光年の孤独」、アトムの歌詞も

産経ニュース / 2024年11月19日 7時0分

谷川俊太郎さん(川口良介撮影)

「二十億光年の孤独」などの詩集で知られ、作詞や脚本、翻訳でも活躍した戦後を代表する詩人、谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)さんが13日、老衰のため死去した。92歳。葬儀は近親者で行った。喪主は長男、賢作(けんさく)さん。

東京都出身。哲学者で法政大総長も務めた谷川徹三の一人息子。昭和25年に高校を卒業したが大学へ進学する意志はなく、詩人の三好達治の推薦で文芸誌に詩が掲載され一躍注目された。

それらをまとめたデビュー詩集「二十億光年の孤独」(27年刊)をはじめ、みずみずしい感性とモダニズムが融合する詩的世界を構築。大岡信さんや茨木のり子さんら有望な若手が集う詩誌「櫂」の同人となり、散文詩から言語実験、日本語の音韻性に着目した斬新なひらがな詩まで幅広く手掛けた。

日常生活に根ざした音楽性豊かな詩は多くの読者を獲得し、欧米やアジアでも翻訳出版された。39年の東京五輪の記録映画製作に参加したほか、ラジオドラマ、犬のスヌーピーで知られる米漫画「ピーナッツ」の翻訳などにも尽力。アニメ「鉄腕アトム」の歌詞も手掛けた。

37年に「月火水木金土日の歌」で日本レコード大賞作詞賞を受賞。50年には英の童謡集を邦訳した「マザー・グースのうた」で日本翻訳文化賞を受けた。

私生活では、劇作家の岸田國士の長女・岸田衿子さん、俳優の大久保知子さん、絵本作家の佐野洋子さん、と3度の結婚と離婚を経験した。

51年、「定義」などで高見順賞を与えられるが辞退。60年に「よしなしうた」で現代詩花椿賞。平成4年、詩集「女に」で丸山豊記念現代詩賞。5年、「世間知ラズ」で萩原朔太郎賞、22年、「トロムソコラージュ」で第1回鮎川信夫賞。令和元年に国際交流基金賞。

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