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「ナイトスクープ」泣きの局長逝く 西田敏行さん、お化け番組を「2代目局長」として牽引

産経ニュース / 2024年10月17日 15時52分

「探偵!ナイトスクープ」の2代目局長として人気を集めた西田敏行さん

死去した俳優の西田敏行さんは、朝日放送テレビ(大阪市)で毎週金曜夜に放送中のテレビ番組「探偵!ナイトスクープ」で、探偵役のタレントたちを束ねる「2代目局長」としても人気を集めた。

番組は昭和63年にスタート。視聴者から寄せられた「富士山頂で餅つきがしたい」といった奇想天外な相談から「車いす生活の中学生の娘を一人旅させたい」といった依頼まで、探偵にふんした芸人たちがユーモアを交えつつも真摯(しんし)に調査。

思いがけない結末にたどりつくこともあり、その様子が視聴者の心をとらえ、最高視聴率は32・2%(平成10年)を記録。日本民間放送連盟賞最優秀賞やギャラクシー賞、ATP賞グランプリを受賞している。

西田さんは初代局長の上岡龍太郎さんの後を継ぎ、平成13年から局長として出演していたが、舌鋒鋭い上岡さんと違い、よく泣いた。

平成30年4月に放送された30周年スペシャル番組の制作会見で、西田さんは「上岡さんの時代は喜劇俳優、バスター・キートンのような大人の乾いた笑いを求めていらした。僕は、泣きが入ったちょっとウエットなチャプリン」と分析。「今回(スペシャル番組)の『ベスト10』でも3本くらいは号泣しました。役者目線で見てしまうのですが、まるで『一篇のドラマ』を見ているようです。局長を務めてから役者としての引き出しがずいぶん増えました」と話していた。

かつて産経新聞の取材に応じた初代プロデューサーの松本修さんによると、同番組は「上岡さんの当意即妙のコメントを生かした番組をつくりたい」という思いから始まったという。

西田さんが2代目局長に就任すると、番組のスタイルも変わった。松本さんは「泣きは、西田さん自身が生み出したもので、私やスタッフが『泣いてくれ』と言ったことは一度もない」と話していた。

西田さんは令和元年11月22日の放送分をもって、番組から降板した。降板前に会見した西田さんは「大人の乾いた笑いというコンセプトが薄らぐ危惧があった」と説明。「(前任の上岡さんは)関西人のエスプリを根底に、大人の乾いた笑いを追究した。そういう笑いが好きだったし、いとおしかった」と振り返っていた。

その上で、「スタッフや探偵たちの熱意に感動し、何かの折に泣いてしまって以降、番組に『ぬれた感性』が拡大した。身を引いて、関西人のエスプリを効かせた番組に修正しないと、コンセプトが薄らいでいくという危惧があった」と話し、1年前ごろから降板を検討していたことを明かしていた。

大阪で隔週で行われる収録についても「肉体的には、だいぶしんどくもあった」と吐露。後任局長の松本人志さんに対して「乾いた笑いと、ぬれた感性を調合できる唯一の人。依頼の幅も広がると思う」とエールを送っていた。

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