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黒いコートに眼鏡かけ出廷の木村隆二被告、小学校時代の夢は「パティシエか発明家」

産経ニュース / 2025年2月4日 11時48分

和歌山市で令和5年4月、岸田文雄前首相の演説直前に爆発物が投げ込まれた事件で、殺人未遂罪などに問われた無職、木村隆二被告(25)の裁判員裁判が4日、和歌山地裁で始まった。小学生のころ、将来の夢を「パティシエか発明家」と思い描いていた被告。なぜ「ローンオフェンダー(単独の攻撃者)」として証言台に立つことになったのか。

黒色の短髪に眼鏡をかけた被告。黒色のコートを羽織り、下はスエットをはいて出廷した。開廷前に手錠や腰縄を外されると、弁護人とわずかに会話もしながら、落ち着いた様子で裁判が始まるのを待った。

罪状認否では、ときおり数秒間沈黙しながらも、起訴された5つの罪名について淡々と「人を害する目的ではないです」「はい。認めます」などと自身の見解を述べた。

《食べた人が秘密にしておきたくなるお菓子をいっぱい作りたい》

《お年寄りや1人暮らしの手伝いをするロボットなど役に立つ機械を作りたい》

小学校の卒業文集でこうつづっていた被告。友人とともに駄菓子屋で買い物をする活発な少年だった。しかし、中学校に進学すると孤立する様子がうかがえ、親族が周囲に「あまり学校に行ってくれない」と悩みを吐露するようになった。事件前は引きこもりがちだったとみられる。

同級生との交流が乏しくなる一方、「政治」に関しては異様ともいえる熱意を示した。令和4年9月、地元の兵庫県川西市内で開かれた市議の市政報告会の終了後、「被選挙権が25歳以上というのは憲法違反だ」と出席していた国会議員に食い下がった。

この約3カ月前には被選挙権の年齢規定や供託金制度は違憲だとして、弁護士をつけない「本人訴訟」で、国家賠償請求訴訟を起こしていた。

提訴と同時期にツイッター(現X)のアカウントも開設。現状の選挙制度を「制限選挙」と表現し、「普通選挙を行っていれば落選させることができた暴君も、制限選挙では組織票で当選してしまいます」などと持論を繰り返し投稿した。

岸田氏の演説会場で爆発物を投げ込んだ被告は、地元漁師に「ヘッドロック」で取り押さえられ、身柄を拘束された。

逮捕後は黙秘を続けたが、火薬取締法違反容疑で再逮捕された5年5月、弁護人に「(取り調べ中に)人格を否定される発言が相次いだ。到底納得できない」と訴え出た。

被告の訴えを受け、取り調べ担当検事が「法律の専門家は私も含めてメジャーリーガーだとして、木村さんは小学校の低学年くらいの知識」「引きこもりで社会貢献していない」などと発言したことが判明。最高検が取り調べの一部を「不適正」と認定する事態となった。

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