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「警察からマスコミにリークされる」紀州のドンファン元妻、友人に口止めの理由語る

産経ニュース / 2024年11月11日 12時16分

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家、野崎幸助さん

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=に致死量の覚醒剤を飲ませて殺害したとして殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の第20回公判が11日、和歌山地裁(福島恵子裁判長)で開かれた。前回に続き被告人質問を実施。野崎さんの死亡後、友人に警察の捜査に協力しないよう依頼した理由を「マスコミにリークされるから」と述べた。

これまでの公判で、被告は野崎さんの死亡後、地元の友人に「和歌山県警の警察官が北海道に上陸。携帯のデータを渡すように言われても拒否で」などとLINE(ライン)のメッセージを送っていたことが明らかになっている。

弁護側からこうしたメッセージを送った理由を問われ、「ただでさえ人殺し扱いでプライバシーを侵害されまくっていた」と言及しつつ、「警察に言った情報はマスコミにリークされる。それが嫌で言った」と説明。「嘘をついてくれとは言っていない。証拠隠滅の意図はないです」とも弁明した。

また、友人には「ぜんぜん財産をもらうつもりだったよ」とのメッセージも送っていた。遺産目的の結婚だったことを赤裸々にした点については、「社長(野崎さん)本人も『遺産をもらってほしい』と言っていた。誰にも、社長本人にも(遺産目的であることを)隠してないです」と迷いなく語った。

被告人質問は8日に続き2日目。8日の審理では、野崎さんから死亡前月に覚醒剤の購入を頼まれたり、愛犬の死を境に野崎さんが「死にたい」と口にするようになったりしたと供述。死亡当日については「充電器を取りに2階へ上がったら、野崎さんの異変に気付いた」と119番した経緯を説明し、自身の関与を否定しつつ自殺や誤飲の可能性をにじませていた。

起訴状によると、平成30年5月24日、殺意を持って何らかの方法で野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、急性覚醒剤中毒で死亡させたとされる。検察側は「莫大(ばくだい)な遺産を得るために、覚醒剤を使った完全犯罪をたくらんだ」と主張する一方、弁護側は無罪を訴えている。

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