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「FREE HAKAMADA」服で傍聴制限は適法? 袴田さん支援者らが国賠提訴

産経ニュース / 2024年11月13日 14時34分

法廷警察権の行使を巡って東京地裁に提訴し、会見する原告。手に持っているのは、傍聴時に問題視された靴下とパーカ=13日、東京・霞が関の司法記者クラブ(滝口亜希撮影)

裁判所側が傍聴希望者に衣服の文字の一部を隠すことなどを指示したのは、「法廷警察権」の要件を満たさない違法な公権力の行使にあたるとして、再審無罪が確定した袴田巌さん(88)の支援者ら3人が13日、国を相手取り、慰謝料など330万円を求める訴訟を東京地裁に起こした。

法廷警察権は、法廷の秩序を守るために裁判長や裁判官に与えられた権利。裁判所法は、裁判所の職務執行を妨げたり不当な行為をする人に対し、退廷を命じることなどができるとしている。

訴状によると、4月に静岡地裁で開かれた袴田さんの再審公判で、支援者が「FREE HAKAMADA」(袴田さんを自由に)と書かれたパーカを着ていたところ、裁判所職員に「入廷できない」と言われ、支援団体のバッジも外すよう求められた。パーカはテープで名前部分を隠し、傍聴が認められた。

同じく原告となった明治大の鈴木賢教授は昨年6月、福岡地裁で同性婚訴訟の判決を傍聴する際に、多様性を象徴する虹色の柄が入った靴下を職員から注意され、靴下を折り曲げて入廷した。

原告側は、いずれの着用も法廷の秩序を乱すものではなく、精神的苦痛を受けたとしている。

法廷警察権を巡っては、北朝鮮による拉致被害者の救出を願う「ブルーリボンバッジ」の法廷での着用を裁判官が禁じたのは憲法が保障する表現の自由に反するとして訴訟が起こされ、1、2審で請求が退けられている。

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