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逮捕から37年…前川さん「闘いは続く」 再審開始決定、袴田さん「追い風」も表情緩めず

産経ニュース / 2024年10月23日 21時17分

21歳で逮捕されて37年超、無罪への道筋が再び見えた。福井市で昭和61年に中学3年の女子生徒が殺害された事件で、23日に名古屋高裁金沢支部が再審開始を認めた前川彰司さん(59)は、二転三転する司法に翻弄されてきた。自身の「有罪」を強く疑問視する3度目の判断を得たが、検察側が異議を申し立てる可能性もあり、表情を緩めることはなかった。

金沢市ではこの日、朝から小雨が断続的に降った。決定書を受け取った前川さんは両手でガッツポーズし、「開始」とつぶやいた。

裁判所前で決定書を右手で高く掲げると、支援者と固く抱き合った。拍手と万歳が湧き起こったが、「一つの区切り。闘いは続く」と安堵(あんど)に浸ることはなかった。

平成25年3月、前川さんは名古屋高裁前で天を仰いだ。第1次再審請求で高裁金沢支部が23年、再審開始決定を出したが、異議審で取り消されたのだ。「やっていないことは自分が一番よく分かっている」と何とか声を絞り出した。

希望が絶望に変わったのはこのときだけではない。もともとの刑事裁判でも、平成2年の1審福井地裁が無罪を言い渡しながら、7年の控訴審で逆転有罪を宣告された。「ばかな」。両親と一晩中泣き続けた。

それでも、この日の再審開始決定後に開かれた記者会見では、過去2回の節目との「違い」に言及した。昭和41年の静岡県一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)が今年9月、再審無罪判決が言い渡され、その後確定したことが大きい。前川さんは「再審に新しい風が吹き始めている。検察への目線も変わってきた」と、3度目の正直に期待を込めた。

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