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検察に矛盾つかれ「記憶違い」 元妻、ドンファンからの覚醒剤・購入依頼の説明を変遷 紀州のドンファン公判 被告人質問

産経ニュース / 2024年11月11日 15時45分

殺人罪などに問われ、公判で被告人質問に臨む須藤早貴被告(イラスト・山川昂)

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=に致死量の覚醒剤を飲ませて殺害したとして殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判は11日午後も被告人質問が行われた。被告は前回の審理で「野崎さんに覚醒剤の購入を頼まれたことがある」と供述したが、検察側から事実との齟齬(そご)を指摘され、「記憶が混ざっていた」と説明を変遷させた。

野崎さんは平成30年5月24日に急性覚醒剤中毒で死亡。野崎さんに覚醒剤との接点があったか否かは重要な争点となっている。被告は8日の被告人質問で、同年4月1日に野崎さんから「覚醒剤を買ってきて」と頼まれ、20万円を受け取ったと説明した。

「真に受けずに何もしないで放置していたら、後日に催促された」とも語り、受け取った20万円はいったんATMで入金したとしていた。

検察側はまず、この20万円を入金したタイミングを問い、被告は「受け取ってわりとすぐに」「(詳しい時間は)覚えていないが、その日の夜になると思います」などと答えた。

検察側は続いて、4月1日にコンビニATMで20万円の入金はあったが、その時間は午後2時58分だったとする証拠を開示。「入金は夜」とする説明との〝矛盾〟を指摘すると、「1日昼に入金しているのであれば、受け取ったのは前月31日の夜になる。記憶が混ざっていた」と購入依頼があった日を修正した。

起訴状によると、30年5月24日、殺意を持って何らかの方法で野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、急性覚醒剤中毒で死亡させたとされる。検察側は「莫大(ばくだい)な遺産を得るために、覚醒剤を使った完全犯罪をたくらんだ」と主張する一方、弁護側は無罪を訴えている。

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