冷たい元妻に不満「結婚した意味がない」 紀州のドン・ファン裁判、家政婦の供述調書を読み上げ
産経ニュース / 2024年10月8日 18時4分
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=に対する殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の第10回公判が8日、和歌山地裁(福島恵子裁判長)で開かれた。野崎さん宅の家政婦が、「野崎さんが被告の冷たい態度に不満を抱き、離婚を迫っていた」などと検察官に説明した供述調書が読み上げられた。
検察側は冒頭陳述で、野崎さんから離婚を迫られたことが動機の一端としている。家政婦は重度の認知症だといい、この日は出廷しなかった。
供述調書によると、被告は初対面の家政婦に対し、「野崎さんが死んだら遺産をもらえるのか」と質問。野崎さんと過ごす間も会話はなく、話しかけられてもほとんど返事をしないなどの態度をとっており、家政婦はこうした被告について、「(結婚の条件だった)月100万円のためだけに野崎さんと一緒にいる」と感じていた。
野崎さんは周囲に若い女性との結婚を自慢したかったが結婚式や周囲への紹介も拒否され、「結婚した意味がない」と漏らすことも。被告に離婚届を突き付けて「お前とは離婚だ。悔しかったら破れ」と激怒し、事件直前には別の女性を気に入っていたとした。
野崎さんは平成30年5月24日、自宅で致死量の覚醒剤を口から摂取したことによる急性覚醒剤中毒で死亡した。
家政婦は事件当日、家に野崎さんと被告を残し、午後3~8時頃の間に外出していたとも供述。帰宅時、普段は野崎さんの寝室がある2階にいる被告が1階でテレビを見ており、午後10時半頃に2階に上がった被告が野崎さんの遺体を発見したという。
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