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机たたき「検察なめんな」は「不穏当だった」元特捜検事、プレサンス国賠訴訟の証人尋問で

産経ニュース / 2024年6月11日 20時33分

学校法人の土地取引を巡る横領事件で大阪地検特捜部に逮捕、起訴され、無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」元社長の山岸忍氏(61)が違法捜査を訴えて国に8億円近くの賠償を求めた訴訟の口頭弁論が11日、大阪地裁(小田真治裁判長)であり、捜査を担った検事らの証人尋問が始まった。最初に出廷した男性検事は自身の取り調べ中の発言を「不穏当だった」と認めた。

証人尋問の冒頭、男性検事の実際の取り調べを録音録画した約5分間の映像が法廷で映し出された。男性検事が山岸氏の元部下(59)=有罪確定=に「プレサンスの評判をおとしめた大罪人」などと迫った場面。

男性検事は尋問で「大罪人」発言以外にも、取り調べ中に机をたたいたり、「検察なめんなよ」などと発言したりしたことを認め、「不穏当だった。全く非がないとは思わない。(元部下に)真摯(しんし)に取り調べに向き合ってほしかった」と釈明した。

再生された映像は連日にわたる取り調べの一部だったため、山岸氏の代理人は映像にはない「反省しろよ、少しは」などと発言した場面を、証言台で再現するよう検事に求めた。検事は自身の発言を口にしたが、代理人は実際の口調と異なると追及、怒鳴るようなトーンで検事の発言を再現する場面もあった。

一方、山岸氏が無罪となった感想を問われると「非常に残念な判決だった。有罪の心証があった」と述べた。

特捜部は、山岸氏の関与を認めた元部下らの供述を立証の柱として山岸氏を逮捕。しかし山岸氏の刑事裁判で大阪地裁は男性検事の発言を問題視して元部下の供述の信用性を否定。令和3年に山岸氏に無罪を言い渡し、確定した。

取り調べ映像、開示巡り攻防

大阪地検特捜部に立件され、無罪が確定した山岸忍氏による国家賠償請求訴訟で、11日から始まった担当検事への証人尋問では、法廷で実際の取り調べ映像が流された。特捜事件の取り調べ映像が民事訴訟で証拠採用されるのは異例で、映像の公開範囲を巡っても攻防が繰り広げられた。

「会社の損害を賠償できます? 10億、20億じゃすまないですよね。それを背負う覚悟で今、話をしていますか」

法廷のモニター上で、山岸氏の元部下(59)に対し、矢継ぎ早に繰り出される男性検事の指摘は約5分間続いた。元部下の顔はモザイク処理されていたが、うつむき加減で時折相づちを打つのがやっと、という様子だった。

原告席に座った山岸氏は、元部下が厳しい言葉を投げかけられる場面をじっと見やり、大きく息を吐いた。

山岸氏側はもともと、元部下だけでなく山岸氏を含む計3人への取り調べの違法性を訴え、全ての映像を提出するよう国に求めていた。

国が提出に反対したため、山岸氏側は裁判所に提出命令を出すよう申し立てた。これ受け、大阪地裁は昨年9月、元部下に対する5日間計約18時間の取り調べ映像の提出を国に命じた。

しかし国は不服として即時抗告し、大阪高裁は今年1月、公開範囲を約50分間に制限する決定を出した。

この日、法廷で流れたのもこの50分間の映像から抜粋したもの。山岸氏側は最高裁に特別抗告しており、公開範囲が再び変わる可能性は残る。山岸氏側は、最高裁の判断で公開範囲が拡大すれば、再び法廷での再生を求めるとしている。

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