京アニ放火殺人事件で死刑確定 青葉真司被告が自ら控訴を取り下げ 弁護団の動向が焦点
産経ニュース / 2025年1月28日 21時5分
36人が死亡、32人が重軽傷を負った令和元年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、1審京都地裁で死刑を言い渡された青葉真司被告(46)が大阪高裁への控訴を自ら取り下げたことが28日分かった。高裁が明らかにした。27日付。平成以降最悪の犠牲者を出した殺人事件の刑事裁判はこれで終結し、死刑が確定した。
過去には、本人が控訴を取り下げて死刑が確定後、弁護人が無効を主張した事件もあり、弁護団の動向が焦点となる。
一方、京アニの代理人弁護士は「取り下げは承知しているが状況が定まらないうちはコメントは差し控える」とした。
1審の争点は刑事責任能力の有無で、弁護側は妄想性障害の影響で心神喪失か心神耗弱の状態だったとして無罪や刑の減軽を主張していた。
昨年1月の京都地裁判決は、被告が当時、妄想性障害に罹患(りかん)していたと認めた。一方で、ガソリンを用いた放火殺人は、被告の性格や考え方から導き出され、「妄想の影響はほとんど認められない」と指摘。被告が犯行直前、現場付近で十数分間逡巡(しゅんじゅん)していたことも踏まえ「善悪の判断能力があった」と結論付けた。
この判決を不服として弁護人と被告本人がいずれも控訴していた。
判決によると、元年7月18日午前10時半ごろ、社員ら70人がいた京アニ第1スタジオ(京都市伏見区)に侵入し、社員やその周辺にガソリンを浴びせかけ放火。36人を殺害し、32人に重軽傷を負わせた。
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