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電波が届かない場所でも救助要請が可能に アップルが衛星通信サービスの提供を開始

産経ニュース / 2024年7月30日 5時0分

米アップルは、災害や遭難時に電波が届かない場所でもスマートフォンのアイフォーンから衛星通信経由で消防や警察などに緊急通報できるサービスを30日から日本で提供すると発表した。今年1月の能登半島地震では広い範囲で通信障害が発生した。アップルの緊急SOS機能は災害時に救助を呼ぶ際の有効な手段となりそうだ。

家族や友人にも

サービス提供に先立つ7月中旬、アップルは東京都世田谷区の砧公園で体験会を開いた。記者も実際にアイフォーンを使って衛星に接続してみた。

緊急SOS機能は、山間部や海上など通信の圏外エリアで遭難したり事故にあったりした際、衛星経由で同社が運営する衛星中継センターに通報者の状態や居場所、バッテリー残量などをメールで発信し、救急に連絡してくれるサービスだ。事前に緊急連絡先を登録しておけば、家族や友人にも緊急SOSの内容が送られる。アイフォーン14シリーズ以降のモデルで利用できる。端末の使用から2年間は無料になる。

接続は屋外で

体験会の当日は雨雲が公園内を覆い、時折激しい雨も降った。衛星に接続するには空が見渡せる屋外が条件となるため、まずは周囲に何もない広場の中央に移動した。

それからアイフォーンのモバイル通信をオフにし、衛星通信だけを使えるようにした。端末の設定内にある緊急SOSをタップすると、質問に回答してください、という画面が現れた。

どのような緊急事態なのか、車両・船舶で起きた問題、病気・負傷、犯罪、遭難、火事といった項目が表示され、その中から病気・負傷を選んだ。緊急連絡先への通知をタップすると、端末が衛星を探し始めた。

アップルは米衛星通信会社グローバルスターと提携しており、同社の衛星は地上から約1300キロ上空を飛行している。どの位置に端末を向けると接続できるのか、画面上の指示に従って操作した。

分厚い雨雲に覆われたこの日は、接続に1~2分を要した。アップルによると、晴れた日の場合、15秒程度で接続できるという。衛星に接続すると、メール送信が始まった。センターから届いた居場所の問い合わせに対し、砧公園と回答すると、救急に連絡済みとの返信が送られてきた。

国内会社も提供準備

緊急SOS機能は2022年11月に米国とカナダで提供が開始され、16カ国で利用されている。昨年8月の米ハワイ・マウイ島の山火事の救助にも貢献した。

1月の能登半島地震では通信ケーブルの切断で通信障害が発生し、救助活動に大きな影響を与えた。携帯業界に詳しいMM総研の横田英明取締役副所長は「衛星通信サービスはいざというときに有効だ」と話す。

国内ではKDDIが年内に衛星通信サービスを開始する予定で、楽天モバイルも令和8年の提供を目指している。NTTドコモやソフトバンクも準備を進めている。(黄金崎元)

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