「核なき世界をあきらめない」 ノーベル平和賞発表から一夜、被爆地・広島で新たな思い
産経ニュース / 2024年10月12日 12時29分
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授与決定から一夜明けた12日、被爆地・広島の原爆ドームや平和記念公園を訪れていた人からも、歴史的なニュースに歓迎の声が上がった。ロシアや中国、北朝鮮などによる核の脅威が高まるなか、国際平和につながるとの期待も聞かれた。
原爆ドーム前でボランティアガイド活動をしている広島県被団協の忍岡(おしおか)妙子さん(75)は「訴え続けてきたことが核兵器を巡る危機への大きな力になったことが評価されて率直にうれしい。今の大人の責任として、事実をしっかりと伝えることをもっと頑張っていきたい」と、喜びと決意を語った。
毎朝、平和記念公園周辺をウオーキングしているという広島市中区の羽仁俊明さん(77)は「核の非道さを長年訴え続ける皆さんの努力が認められたのでは。一市民としてもうれしい」と話した。「核のカードを対外的に利用する国が存在する限り、廃絶は難しい。それでも『核なき世界』の理想をあきらめてはいけない」とした。
金沢市から旅行で訪れたケアマネジャー、安島和江さん(72)は「核廃絶へ日本がリードし、各国と団結して国際平和につなげてほしい」と話した。
3連休初日。「過ちは繰返しませぬから」と刻まれた平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑の前では、国内外の多くの人が手を合わせた。(矢田幸己、和田基宏)
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